#06


『おはよー優一』
「おはよう…あ、仲直りしたんだ」
「ああ、きちんと仲直りしたよ」
『そうそう!ってどうしよう!お花忘れちゃった!!』
仲良く二人で並んで優一の目の前まで行くと、私の手の中に毎朝持ってきている花がない事に気付いた。
昨日からいろいろあって考え事してたからかなあ…?
「まあいいよ、たまにはそういうこともあるし。俺にとって、名前と京介が毎日ここに来てくれるだけでも嬉しいから」
『そう?…でも夕方からちゃんとお花持ってくるから』
「全く、言っても聞かないんだから」
「さすが名前」
『何よーバカにしてんのー?』
いつもよりも楽しい朝の会話を済ませて、京介を学校まで送りにいく。一応これでも姉貴分ですからね!

京介は普段優一の前以外だとあまり喋らないから喉が詰ってしまいそう。
でも、そんな中で京介は私に笑って話しかけてきてくれた。胸が弾む。


そんな日の夕方だった。

『あれ?君何やってんの?』
「…!?」
変な頭したユニフォームを着た変な男の子。頭にはクロワッサンが乗っている…気がする。
いつもの様に花瓶に水を入れている途中にどうやら京介は来ていた様だ。
京介の友達かな…?とか思いながら病室の中に入る。
『いつのまにきてたの京介』
「名前」
京介が私の方を向いた瞬間。私の隣にいたクロワッサンの子に目を向けて難しい顔をした。
「?京介のお友達?」
「あ、あの…っ」
なんだか京介の顔が変わった。どうやらこの二人は仲が悪いらしい。
京介はそのクロワッサンの子を病室から追い出した。
少しだけ私と優一の間に沈黙が生まれたがそんなの気にしなかった。
『あの子、サッカー部の子なんだ……』
「そりゃあユニフォーム見れば分かるでしょ?」
『まあそうだけどね』
相変わらずまだ何も知らない優一は無邪気にこうやって笑ってた。

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