勘違いのその先
説明を求める。と、呼び出されてしまって今現在理事長室にいます、どうも、おれです。素晴らしく心細かったのでみはるさんに助けを求めてみました。大層ありがたいことについてきてくれました。でも別に威嚇はしてくれなくてもいいかな!傍にいてくれるだけで心強いから。
「……………」
無駄に豪華な理事長室で、素晴らしく居心地の悪さを感じながら、逃げることも出来ずにとりあえずおれの膝の上に乗るサイズになってるみはるを抱きしめてみたりなんかして。もふもふで気持ちいいです。戯れるの、大好きです。
理事長はにこにこ笑ってるし生徒会の皆様は渋い表情しているし、転入生は転入生でおかしな表情してるし、どうしたらいいのか、分からない。
「君は実技の成績が悪いと聞いているのだけど、」
「…………は、い」
そうですね、そうです。その通りです。
『実力だけなら貴様にもまs「みはるさああああん!言わなくていい情報は言わなくていいんですよ?!」………ちぃ』
「すみませんごめんなさい気にしないでくださいそれでなんでしょう?説明、って、何を説明すれば…?」
みはるさんの口を塞いでいれば、転入生はやっぱり。とか、呟いているし生徒会の皆様は渋い表情を更に渋くしているし、理事長に至っては笑みを深めているしで、わけが分からない。
「君は、自分の力がどれ程のモノであるか。を、知っているのかな」
「―――――――は、い」
それはもう、大変残念な事に。存じております。とは、口にはしない。一言答えるだけに留めておいた。
この学園に入って勉強していく中で気付いてしまったことが、良かったのか、悪かったのか。少なくとも、悪くはなかったのだと思う。おおっぴらにしてしまえば非常に厄介で面倒な事になってしまうことが、理解できてしまったのだから。基本的に外見重視で実力は二の次のこの学園で、こんな平々凡々なおれが、力を持っていると知られてしまった時には、かなり恐ろしい事態が引き起こる事だけは、想像できた。
「そうか」
だからこそ、召喚、後、契約をしましょう。なんて内容の実技授業では、わざと、召喚に失敗出来る様に、練習した。大好きなみはるが騒々しいところは嫌いだって言ったし、召喚するまではいいけど、契約はしたくなかったから。練習したかいがあって、無事に実技授業の時には召喚に失敗することが出来たから、それだけは良かったと思う。
そんな小細工をしてしまった為に、こんな面倒な事になってしまっているとも言えるのだけど。
「は、い…すみません……」
「謝らなくてもいいんだよ。でも、そうか」
「………?」
その直後、理事長から放たれた言葉に、おれ、だけではなく、生徒会の皆様と転入生が動きを止め、みはるさんが怒ってしまった。
2013.09.19
(残念ながら、理事長のモノにはなれません)