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3つの恋のお題

2014/03/05
風紀委員長受け/非王道
はじけとんだ理性/今、何してる?/星に願いを、月に祈りを

010:はじけとんだ理性//病み気味平凡
好きです。そう言われて、その気持ちに応えることは出来ないと返したのが、つい先日の事だった。
「限界だったんです」
「―――何を、」
数か月前に来た転入生を病院行にした見た目こそ平々凡々としている奴は、微笑みながら限界だったとそう言った。問い詰めようとしたところで、視界が揺れる。自分の体を支えていることが、出来ない。
「大丈夫です、依存性のない薬なので」
まさか、薬を盛られるとは思ってもいなかった。その上、組み敷かれるとも。少しも、思ってはいなかった。目がイってしまっている相手を目の前に、情けなくも声を出すことが出来ない。
「俺はずっとあなたの事しか見ていなかったのに。アイツが来てから全部おかしくなってしまった。あなたに逢えなくなってたまに会えたかと思えばあなたは変な目で俺の事を見てくる。俺が好きなのは、あなたなのに」
「――――――、」
コイツハ誰ダと頭の中で同じ疑問が繰り返される。それに対する答えは、無い。声を出すこともなく、目の前にある顔を見つめ続けていれば、綺麗に笑われた。

011:今、何してる?//会長
「今、何してる?」
「何って、仕事だが」
「そうか」
「おまえもだろ。休憩はいれろよ」
「心配してくれるのか?」
「当たり前だ」
周りの目がある為に恋人なのだからという言葉は告げられず、息を吐く。転入生が来てからおかしくなってしまった学園内は、如何にかしてアイツが回している。少し前、悪役が浮かべるような笑みで『転入生を調教した方が早そうだ』と俺の事を抱きしめながら言っていたことは、厭に記憶に残っている。
「―――、切るぞ」
「―――――ああ」
少しばかり名残惜しそうに言われたものの、丁度よく生徒会室に持っていく書類を片付け終えた俺は、これを持って奴の顔をみに行ってやろうと、そんなことを思った。

012:星に願いを、月に祈りを//外見チャラ男な幼馴染
この学園で過ごすにはこの方が良いからと外見だけそう見えるようにした男は、何故か泣きながら俺にしがみついて言える。曰く、転入生に好き勝手言われたと言うことで。
「星夜」
「――――伊槻」
おれは、おまえ以外いらない。それもどうなんだと思いながら、どうにかして、転入生からコイツを逃がす方法を考えなければダメだとそんなことを思った。


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