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愛の正銘A
2013/05/02
@の続き。相変わらず鬱々。
監禁(とは、言い難いのかもしれない。何しろ、容認してしまっているのだから)され始めてから数日。相変わらず鎖は外してもらえないまま、この場所に留まっている。風紀委員会の方は多分、どうにかしてくれているだろう。やる時はやる男だ、普段気が抜けているように見える副委員長は。だから、というわけでもないが、久方ぶりの休息を楽しんでいる部分もあるには、ある。ただ、もう少しどうにかならないのだろうか。
「潤」
「なあにぃ?」
「そろそろ、――――――ッ、」
おまえは俺を喰い尽くす気か。と、思うほどに、執拗に躰に触れられている。
「は、」
「シン、かわい」
幸せそうに笑われてしまっては、何もできない。正確には、何かをしようとする気が起きなくなってしまう。ただ、この時ばかりはそういうわけにもいかなかった。
「うる、う、」
おまえ、また、やったな?気を抜くと変な声が出てしまいそうだと思いながらも、そう吐き出せば、潤が動きを止めた。
「…………、」
「潤」
「だって、足りない、」
全然、満たされない。そう聞こえてきた次の瞬間、首筋に噛み付かれていた。
「―――――――ッ」
「足りない、全然、ぜんぜん足りない、もっともっともっとちょおだい?」
嗚呼、これは本格的に、まずいことになりそうだ。どうしようかと考えながらも、さらに深く噛み付かれたその痛みに耐えきれずに、意識を手放した。