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056~060

2013/02/19
嗤う声/束縛病/不幸志望者/咲く花/壊れた

060:壊れた
がこん。洗濯機が奇怪な音を発てた。「あー…」これきっともうだめだ。いや、まだ平気かもしれない。アイツがいたら見てもらえたのになあ。とか、考えて思い直す。そんなことばっか考えてしてたから、アイツは出て行ってしまったんじゃないか。と。(あーもう、ほんと、ダメダメ)洗濯機は動いている。

059:咲く花
花が咲いている。この道に花が咲いているとは知らなかった。いつもしないことをしてみると少しだけ違った世界が見えてくる。此処は本当に、自分がいた世界なのか?とか。考えてしまう。(どっちでもいっか)世界は不可思議なのだから。カシャリ。カメラで花を、切り撮った。写真の中で、青色が笑った。

058:不幸志望者
渦巻く思考を止めることが出来ない。他者の幸せを純粋に。願いたいのに、願えない。何処かで不幸を望んでいる。所詮他人、気にするほどのことでもない。そのはずだ。「しあわせそうだなあ」犇き合う人々を、心底気色悪いと思っていることを伝えたら、あいつはどんな表情をするだろうか。無意味に思った

057:束縛病
あ。もげた。けどいいよね。君はもう僕の傍から離れることはないんだし。一生僕が面倒をみてあげるんだもの。構わないよね。今日は何食べたい?君の食べたいもの作ってあげる。そうだなあ、今日は天気が良いから、一緒に散歩にも行こうか。え?なあに?聞こえないよ。(おれ、もう死んでるんだけどナ)

056:嗤う声
双子の弟が嗤っている。これ以上嗤わないで欲しい。と、言う、懇願。孤独に無音に慣れてしまった今でも。昏い静かな部屋の中、弟の声が響き渡っている。空耳。分かっている、そんな事は、知り尽くしている。開けない夜は無いと言った弟は今はもう骸になってしまっているのだから。表情は思い出せない。


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