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ごちそうさまです。

2012/09/23
ツンデレ受け。

「嫌い」
「うん」
「大嫌いだ」
「知ってる」

顔を赤く染めながらそう言う姿は自分だけが知っていればいいと思う。大勢の前での彼の態度と俺の前での彼の態度は、酷く違う。それこそ、本当に彼なのかと疑ってしまう程に。お前の事なんか好きじゃないんだから。と、言われた時の事を思い出す。そう言った時、彼は会長の親衛隊に所属していた。会長の親衛隊の一員が何故自分なんかに。と、思ってみたのも一瞬、会長と俺の容姿は酷く似通っている。それもそうだろう。何せ俺と会長は双子なのだから。ただ、そうと悟られないように若干の変装をしている俺は、彼に気付かれるまでそうだとは気付かれたことがなかった。たとえ、名字が一緒だったところで。平々凡々な生徒を演じていた。

「いつまで抱き着いてんだよ」
「んー?飽きるまで」

最初、その言葉を聞き告白だと気付いた次の瞬間には、きっと自分は双子の兄の身代わりなのだろうとそう思ってみたものの、実際は違っていた。どうやら彼は、会長が俺だと思って会長の親衛隊に入っていたらしかった。その事を知り、告げた時アイツは嗤いながらすごい馬鹿が居たものだ。と、笑った。そんなアイツが実は彼の事を好きだと知ったのは、事が終わってからだった。可哀相な双子の兄は、今俺の腕の中に居る存在を手にすることはない。

「ば、ばっかじゃねーの!?」
「馬鹿じゃありませーん」

笑いながら言えば、突っぱねられた。少しばかり可哀相だと思ってみるものの、兄は兄でそのうち幸せになってくれると信じている。

「バカだとしてもそんな俺が好きなんだろ?」
「〜〜〜〜〜〜〜〜っ、」

その後、珍しくも素直に告げられた言葉に、擦り寄ってきたその態度にやられて襲ってしまったのは仕方のない事だと思う。


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