*up data | ナノ


None/ ≫ up data+

051~055

2012/07/29
わすれなぐさ/声に出して言って/生徒会長と風紀委員長の幼馴染/ループ/軋む音

051:わすれなぐさ
好き。そう呟いた声は、小さすぎてすぐに、消えた。忘れないで忘れてしまってもいい、だけど覚えていて、それでも覚えていなくていい。何度も思った事を、心の中で繰り返す。告げられない想いは胸に秘めたまま、ただ、その場に立ち尽くした。(貴方が幸せなら、それだけで)

052:声に出して言って
久しぶりに見た彼は酷くやつれていた。酷く傷ついていた。だけど僕には何もできない。どうすることだって出来ない。彼を、救う事なんて出来ない。助けて。確かに、彼の瞳はそう言っていた。だけど僕は見えていない振りをして、(本当に助けてほしいなら、声に出して求めてよ、この僕の事を、)

053:生徒会長と風紀委員長の幼馴染
生徒会長と風紀委員長が付き合っている。そんな噂が流れた。本人たちは至ってこれまで通りで、にも関わらず周りは騒ぎたてている。誰が彼等の掌の上で踊らされている事に気付いているだろうか。きっと、自分以外に気付いている人はいない。彼等はそれすら、楽しんでいる。(嗚呼、なんて悪趣味な)

054:ループ
繰り返す、終わりはない。始まりは忘れてしまった。だけど確か、彼の死が引き金だった。彼が死ななければ僕が死ぬ。僕が死ななければ彼が死ぬ。どっちにしろ救いなどない。二人ともが生きてる未来(過去)等ない。だけど僕は望んでしまう。繰り返してしまう。いっそ、望まない方が楽だと知りながら。

055:軋む音
ミシミシミシミシ。ああ、うるさい。お黙り下さいお黙りなさいな。その五月蠅い口を閉じて下さいませ。どうかどうか、私のことなど放っておいて欲しいのです。放っておいてくれるのならば、何もしませんから。ですからどうか、どうか放っておいてくださいな。(軋んで、歪んで、絶えた)


copyright (c) 20100210~ km
all rights reserved.
人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -