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046~050

2012/07/29
まだ生きてるの?もう死んでるの/大人になれない/もしかして/不適切/ストレス

046:まだ生きてるの?もう死んでるの
沈む、沈む。ただ、沈んでいくだけの夢だった。水泡が上に上がっていくのを見つめているだけで、浮上することはない。ただ、沈んでいくだけ。
―――綺麗ごとね。
嗤いながら吐き出された言葉を思い出した。嗚呼、本当に綺麗ごとだった。自分の身に起こって初めて、何もかもを理解し、絶望したのだ。

047:大人になれない
悪意には害意を返します。心の中で嗤いながらそう思い、そんなことを思っているとは悟られないように仮面をつけて彼等を見る。結局は、自分を見てほしいだけなのだから、適度に見てあげれば早々に飽きてくれるだろう。そんな願いを込めて。(さぁ、君はこれを見破れる?)
―――所詮、全てが君基準。

048:もしかして
友人に呼ばれ、彼の家に足を踏み入れれば、ムッとした空気が肌を掠めた。あまり良い気分ではないものの進められるままに玄関を上がり、客間へと入ったところで、視線を感じた。どこからくるのか分からず、視線の元を探そうと辺りを見渡せば、違和感を感じる程高い場所の小窓には少年の顔が、(何これ)

049:不適切
言葉の持つ意味を正確に知らないから、そんな事を言えるのだろうと思いながら彼を見つめた。反論する気も起きない。反論すれば恐らく彼は、自分が正しいのだと。そんなものは屁理屈なんだとそう主張するだろう。これまで彼を観察してきたからこそ、分かる。本当に、どうしようもなくて吐き気すらした。

050:ストレス
腹の調子が凄まじく悪い。一向に良くなる気配はなく、悪化するばかりだ。こうなってしまった原因は分かっている。分かっているが、元凶をどうにかすることが出来ない僕は、ただ、耐えるしかない。嗚呼、でもこの分じゃあ、そのうち病院の世話になることになりそうだ。そんな事を思いながら、彼を見た。


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