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031~035

2012/07/29
仕舞いこむ/襲われたから襲いかえしました/カニバ/ひといがい、/重曹

031:仕舞いこむ
死にたいわけではない、消えたいのだと思う。この世界から消えてしまいたい。そう思う原因になった転入生は、楽しそうに学園の人気者たちと話している。どうして。そう思ってみたところで現実は変わらない。僕は僕を想ってくれている人を傷つけたくはないから、今日もその考えを仕舞い込む。

032:襲われたから襲いかえしました
ずっと我慢していたのに、まさかその対象から襲われるとは。大好きと言われ、キスをされた瞬間、やられっぱなしは性に合わないと思い、やり返した。伊達にお前より長く生きてない、という意味を込めてにやり、と笑えば弟の顔は真っ赤になった。「可愛いな、」と、言うわけで、いただきます。

033:カニバ*
男は嗤った。口元は赤く、室内からはムッとした空気が漂ってきている。アイツらが悪いんだ。と、男は嗤う。嗤いながら、愛しそうに自分の腹をさすった。こいつの良さを知っているのは、オレだけでよかったのに、アイツらが気付いてしまったから、だから。と、男は嗤う。泣きながら、嗤っていた。


034:ひといがい、
その姿を見た時、一瞬で心を奪われた。兎に角手に入れたい。そう、願ってしまった。ヒトのカタチをしながらヒトではないものに、それも多分、同じ性を持っているモノに。しばらく見つめ合った後、ようやく口を開くことが出来た俺は、間抜けな声で自分の名を名乗った後、名前を尋ねていた。

035:重曹
何故重曹について熱く語られているのか。初対面でキスをしてきた副会長も、殴ったら気に入っただとかでキスをしてきた会長も、なんでか懐いてきた書記も、にやにや笑っていた会計も、アホ面で俺の同室者を見ている。「聞いてます!?」その瞬間、俺も含め、その場の全員が同じ事を思った。



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