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3つの恋のお題

2012/07/28
※風紀委員長受け
雨の中にただ佇んで/俺は君のもの/はじけとんだ理性

001:雨の中にただ佇んで//会長
髪をおろした姿は、一見、誰だか分からなくなる、らしい。らしい。と、言うのは聞いた話であるからに他ならない。雨で後ろに流していた髪が、落ちてくる。視界が前髪に遮られ、雫が滴る。次から次へと、上から降ってくる冷たい雨は、酷く心地好かった。
「おい!」
おまえ、何してるんだ!こんな雨の中で!と、聞き知った、慌てた様子の声が聴こえ、振り返れば予想した通り、生徒会長がいた。仲が悪いとされているが、実際本当に仲が悪いわけではない。と、勝手にそう思っている。もしもそれが勘違いだったら、酷く恥ずかしい気分になる事は解りきっていた。
「……………風紀委員長、か」
「よく分かったな」
服からも雫が落ち、反対に、傘をさしている会長は風によって横から降り注ぐ雨によって、僅かに濡れているだけだった。
「なにしてるんだ、おまえ」
「べつに。特に意味もなく、雨に当たってた」
「……………平塚、」
初めて、名前を呼ばれたかもしれない。そんなことを思いながら、名前を呼び返せば不思議な事に、腕を取られ、傘の中へと入れられた。

002:俺は君のもの//脇役
生徒会長と対立してみせるのも、転入生に辛く当たるのも、なにもかも。俺に言われたからだと思うと、酷く気分が良い。加虐思考に満たされて、もっと酷い事をしたくなる。逆らう事が出来ないと知っている為に、行動は徐々にエスカレートして行っている。自分より幾分か大きくしっかりした体つきをした男を組み敷いて、犯している。その行為が愛からのものではないかもしれないのに、それでも、笑う。俺は君のものだから。と、風紀委員長であり、幼馴染であり俺の従者である男は、嬉しそうに笑いながらそう言う。本来、あのような性格ではないのにそれを作り上げている男は、これでいいのだと笑う。
「馬鹿だなぁ、火野は」
「………俺は君のものだから」
これで、いいよ。これが良いんだ。笑いながらそう言う男を、酷く愛しく思った。

003:はじけとんだ理性//チャラ男
遊びならやめてくれ。珍しくも弱弱しく、吐き出されたその言葉に、この男をここまで弱らせることが出来たことを嬉しく思いながら、多少申し訳なく思う。別におれは、此処まで彼を追いつめたかったわけじゃない。少しだけでも、気持ちをおれに向けてくれればいいと思っていただけであって。
「ごめん」
思わず、そう言い、椅子に座っている彼の頭を抱き込んだ。立っているからか、彼の頭はおれの胸の部分に来る。どうやら、泣いてはいないらしい。その事に安堵しつつ、今日こうして呼び出された本来の理由は、おれの生活指導だった事を思い出した。それが、どうしてこんなことになってしまったのか。図らずも、展開はおれの望むままに進んでいる。弱弱しい彼の態度を見て、少しだけでもおれに気持ちが傾いているその姿をみて、理性の焼き切れていく音がしていた。

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