【片想い】
突然だが、つぼみが記憶喪失になったらしい
「えーと…初めまして?」
「あー、一応何度もあってるんだがなぁ…」
知人が記憶喪失に、なんてそうそうあることではないと思っていたのだが…今目の前で申し訳なさそうに謝る彼女がそれを否定している
事故で頭に強い衝撃を受けてしまったつぼみは、何も覚えていないらしい
何も、というの自分自身を含めた全てのことであって
「あの…もしかしなくても後ろの方々も…」
「……まぁ、お前さんの知り合いだ」
「な、泣いてしまうほど親しい仲の方で…?」
彼女の台詞に無言で頷く
全てを忘れた、ということはもちろん、シカマルたちのことも忘れたということだ
おれの後ろ、病室の扉の前で歯を食い縛りながら泣いている
そんな三人につぼみは、ひたすら謝っていた
涙の原因はつぼみだが、彼女は決して悪くない。運がなかっただけなのだ
鼻水のすする音が響くなか、おれは落ち着かせるためにつぼみの頭に手を乗せる
「ま、そう落ち込むな…っつーのも無理な話か」
「え、あ…」
「でもまぁ、焦らずゆっくり思い出せばいい
それに今のつぼみもつぼみだ。謝る必要はねぇよ」
やましい気持ちなど欠片もなかった。年下の子供を慰める感覚だった
本当にそうだった
何度でも言う
やましい気持ちなんてなかったんだ
「…あ、は…はい」
ぽっ
………ん?『ぽっ』?
赤く染まったつぼみの頬。小さく返事をした彼女は俯いてしまった
うん、かわいらしいな
うん、とてもかわいらしい反応だ
これは、あれかな
おれはもしかしなくても
「……おい、アスマ?」
「…違う」
「センセー、何が違うの?」
「…違うんだ」
「うふふー、センセーにこっち向いてほしいわぁ」
「いや、だから、その、ちがっ」
「「「何が違うのか、言ってみ?先生さんよぉ」」」
「…………ッ!!」
恋愛フラグと死亡フラグ、 両方建ててしまったらしい
違う、違うんだって
お願いだから、助けてくれぇ…!
紅ぃぃい!!!!
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久々すぎて書き方を忘れた管理人です。リハビリしなくては
そして私のとこのアスマ先生はすぐ紅先生に助けを求めますねぇ。うん、ヘタレ
逆バージョンで記憶喪失シカもやってみたいです、はい
2012/12/01 15:02
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