キレイサッパリですが。

再度脱衣所に入ると丁度よく男の子も風呂場から出てくるところだった。その子は目を見開いて身体を隠すようにその場に屈んだ。

女みたいな反応だな。

「見ないでっ…!」

膝を抱えて顔を埋めている。そんなに俺変態じゃないはずだけど。

見られたくないって言うんだったらそれに応えて、持っていたバスタオルを顔も隠すように掛けてあげた。

「綺麗になったか。」

「わ、かんない…汚い、ですボク…」

タオルの隙間から水滴が落ちているのが見えている。ちゃんと風呂入ってるじゃん。

「綺麗になったな。」

「っなってないです!何度、洗っても、ダメなんです…ボク自身がもう、穢れてて…」

もしや、と思って腕を引っ張り出すと案の定全体が真っ赤になっていた。皮がむけて血も出てる。

「痛かっただろ。」

こんなに擦って。洗いすぎだわ。汚いと思ったんなら天井裏にまでネズミを追いかけるなよ。

「痛くない。これくらい…」

見た目に反して強がって子どもっぽい可愛い発言だった。

タオル越しに頭を掻き混ぜる。


「…あ」

なぜか赤くなっている腕が白い肌に戻っていく。

この子と目が合った時にはもう完全に傷が塞がっていた。

この機能すごくね。俺こんなことできたの。というかこの子が回復が早いだけなの?

「風邪引くから服着ろ。」

震えちゃってるし身体冷たくなってるよ。湯冷め厳禁。

「はいっ…ありがとうございます。」

へにゃっと微笑んだ。かわいい。

変態だと思われてる俺はさっさと脱衣場を出る。後ろでガタガタうるさかったけど気にしないでおいた。

prev / back / next
×
人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -