不法侵入(ベッドの中)

え、ちょっと待てどういうことだこれ。頭の整理が追いついていない。この中に誰かいる…って…

慌てたまま力任せに布団を剥がす。正体がわかった瞬間、身体が凍りついた。


「つ、月永ッ?!」

「ん、んー…?…玲吾、寒い…」

そう言って俺の腰まわりにしがみつく月永。

「うん、ごめ……じゃなくて、起きろっ!!」

悪いが今は状況を説明してほしい!!自分でもすごい顔して月永の肩を揺すってるのがわかる。

「う、待っ…ストップ!」

寝起きの月永は酔ってしまったらしい。

「なんでここに月永がいるんだよ。」

眠たそうに目を擦っている。

「…鍵、開いてたから入った。」

「俺誤って月永に変なこととかしてない…よな?」


「…さぁ?どうでしょう。」

「は?」

月永は前から俺の首に腕をまわして寄りかかった。

…いや、いやいや、んなわけねぇ。俺がそんなことをするはずがない。…多分。

「ひひ、嘘だぞ!」

「はぁ…」

本当やめてくれ。冗談きつい。

「おはよう、玲吾。」

いたずらっ子のように笑っている。

「…おはよ。」

月永は俺の両頬をつねった。痛い。

「…驚いたんだ。鍵開いてるし、名前呼んでも返事帰ってこないし…」

気をつけろ、と注意された。

「ん、ごめん。」

月永の腰を引き寄せ抱きしめ返す。

「月永はなんで俺ん家に?」

「ただ、通りかかったから。」

「そっか。」

それ以上は聞かなかった。

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