撮影中は危険

橘颯太side


「目線こっちー。」

「はい。」

「……。」

そうです。ただ今雑誌撮影の最中。カメラマンさんの指示に従って玲吾がポーズを決めている。

俺は待機中だが一瞬周りが白く光って目がシパシパする。目をつぶるどころかめっちゃキマってんじゃん。

はぁ…いつ見てもかっこいいなぁ。

「個人撮影オッケーです。次、橘さんとツーショットいきましょう!」

「は、はいっ!」

急いで椅子から立ち上がり玲吾の元へと急ぐ。あああ…緊張する。足で纏いにはなりたくないっ

心臓がバクバク言ってもう俺無理!!

「それじゃあ、まずは仲が悪い感じで!」

んえええ?!仲が悪いって…説明が!!詳しく教えてくださいよ!!ちらっと玲吾を見ると冷たい目で俺を見下げていた。

「…ッ」

え、うそ…早速足引っ張っちゃってる…?

怖すぎて目線を外したらカメラのシャッター音が大きくなっていた。

「いいね。二人ともうまいよ!役にぴったり!」

…ん?えっ?!

「次は仲良しな感じ!」

え、ええっ?

「な、仲良し…?!」

ま、待って、これで良かったの?!次々リクエストしないでくれよ!苦手なんだから!!

駄目だっ頭パンクしそう…っ


「ん。来て。」

「…は、え?」

何この状況?!俺を見て両手広げてる…?行けばいいの?!抱きつけばいいの?!

「…ふ、面白いなぁ。」

「うわぁっ!」

腕を引っ張られ懐に入った。うわああああ胸筋…

「おぉー、いいねー!」

カメラマンさんや周りのスタッフさん達は優しそうな目で俺たちを眺めてる。
よくないよ!!恥ずかしすぎる!!

「苦しくない?」

頭上から声がして上を見上げた。

「だ、大丈夫…」

眩しい。玲吾が輝いて見える。今の笑顔はずるいって。




橘颯太side終

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