先生って怖い

「…そんな怒らないでよ椚先生。」

「怒るに決まってるでしょう!何時間私を待たせるんですか!しかも制服着ていないですし!」

教室に行ったら鬼のような顔でお出迎えしてくれた。

「一応10分前には来てた。教室間違ってたけど。」

「それは自分の責任ですよね?」

「…うぃー。」

「ったく…課題追加しときます。」

「まじか。」

ドサッと山のように積まさってるプリント。これをやれと?

「まじです。明日の放課後持って来てくださいね。」

「はーい。」

渋々プリントに手を伸ばした。鬼だな。



「…今日もそれぞれのユニットに顔を出さないんですか?」

「そうだねぇ。もう一ヶ月ちょっとは皆を見てないなぁ。」

今日は衣更くんって人に会ったけど。

「もしかして、面倒くさいとかそういう理由…」

「そりゃあそうですよー。」

それを聞いてため息をつく椚先生。

「だったら、なぜアイドル科に入ったんですか。」

「んー?ははっ、なんとなく?」

「殴りますよ?」

「うわ、怖い。」

怒り抑えすぎて震えてるじゃないですか。

「…そろそろ行った方がいい?」

「当たり前です。新しいユニットも結成されていますから、見てみてください。」

「了解。」

ま、見るだけならいっか。

「…私は用事があるので職員室行きますけど、一人で大丈夫ですか?」

「俺、寂しがり屋だからさ。」

「大丈夫ですね。」

「眉間にしわ寄ってイケメン台無しになってますよー。」

椚先生面白すぎ。

「…からかってごめんね。」

「…はぁ。」

メガネをクイッと上げた。

「ありがとうございました椚センセ。」

「…どういたしまして。」

椚先生が教室から出て行ったのを確認してまた課題を進めた。




_______




「…やっと終わった…」

ペンを置いて首を鳴らした。時計を見ると約19時30分。やっぱり追加された分が多かったんだな。

早く帰りたい…けど眠い。寝たらまた怒られんじゃん。渋々プリントをまとめてクリップで留めた。

明日の放課後までって言ってたけど今持って行っていいかな。

「よっこらせ…」


「…誰かいるのか?」

椅子から立ち上がった瞬間、聞き覚えのある声がした。

今日は、やけに人に会うなぁ。

「いるよー。」

声を発したらバンッと扉が開いた。いつも扉さんってこんな酷い扱いされてんの?かわいそ。

「久しぶりだねぇ、鬼龍。」

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