あどにすくん

「えぇ?!どこにも属してないのかっ?!」

「そうだよ。」

ドリフェスには出ない。といっても一年の時に一回だけ出たことがある。あの時はいろいろあって。

他のイベント、行事も…気分で行ったり行かなかったり。そう考えると俺を許してくれてる皆がすげぇな。一人くらいは俺を怒ってくれてもいいと思うんだが…

なんでだろ。

「ソロ活動ってこと!?」

「いや、ユニットに入るのが面倒くさくて入ってないだけ。」

入ろうと思えば入れる。

「泉ちゃんもKnightsに入るように誘ってるのに一向にOKが貰えないの!」

「お疲れ様。」

「もー!!いつもそうやってー!!」

「怒らないで…後で月永連れて見に行くからさ。」

「…!ふふ、ありがとう。」

「えー!俺らのところにも来てほしいぜー!!」

「あぁ、いいよ。」

「やった!Ra*bitsだぜー!!」

「え。」

Ra*bitsの皆には秘密にしとこうって紫之くんに言っちゃった。天満くんぴょんぴょんと跳ねてるし…まぁいっか。


「天満、鳴上、ちょっとこいつ借りてく。」

「…え?」

肌が焼けてる、のか?日焼けか?そう思ってるうちに担がれて何処かに連れて行かれた。

「君、力持ちだね。」

「鍛えてる。」

担がれながら会話してるけど180センチの男をよく運べんなぁって思う。誰だか知らない奴に担がれてる俺、意外と冷静。

「な、何してるんだ?!」

通りすがりの腰に刀ぶら下げてる人。

「あ、神崎くん。」

救世主登場。

「…どういうことか説明願う。」

刀に手をかけてる。えっ、抜刀。

「……。」

無言はきつい。何か説明してくれ。

「…いくらあどにす殿でも玲吾殿を連れ去るのは許されぬ行為!!」

カチャと刀の刃が見えてきた。

「神崎くん刀仕舞って…」

殺人事件がここで起こってしまう。

「…少し厄介だ。」

あどにすくんとやらは静かに呟いた。真顔で俺を見て次は神崎くんを見る。

「逃げるぞ。」

「あ、うん。」

「?!おいっ!!」

凄まじいスピードを出して走るあどにすくん。

「はやっ…あどにす?くん、俺酔いそう。」

「乙狩アドニスだ。」

「アドニスくん。」

「酔うのは場所に着くまで我慢してくれ。」

今よりももっとスピードを上げた。

prev / back / next
×
人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -