面白い

紫之くんと花に癒された後グラウンドを通ったら、全力疾走している子が。

「ダッシュ、ダッシュなんだぜ〜!」

さっきまで優雅な時間を過ごしたからおぉ…ってなった。元気だなぁ。

「…あら?玲吾ちゃん?」

「鳴上くんもいたのか。」

タオルで汗を拭きながらこっちに歩いてくる鳴上くん。

「わぁあ!久しぶりね!」

「久しぶり。」

にこにこと嬉しそうだ。うん、俺も嬉しい。

「あれー?嵐ちゃん先輩その人誰なんだぜー?」

俺に気づいたみたい。全力疾走してた子もこっちに来た。鳴上くんはふふふ、と笑う。

「アタシの運命の人っ!」

ぎゅっと俺の腕に抱きついてきた。そして上目遣いでウィンク。おまけに語尾にハートマークがつきそうな言い方。

このやろー。

「えぇ?!そうなのか?!」

素直。鳴上くんにやられっぱなしは嫌だよね。

「俺の大切な人でもあるよ。」

自由な方の手で鳴上くんの頭に手を置いた。

「おぉー!」

「ッ…もう、玲吾ちゃんったら…」

鳴上くんが俯いてて顔が見えなかった。

「俺は天満光!一年なんだぜ!」

ガッツポーズで満面の笑みをするこの子。汗が半端ないぞ。

「天満くんか、よろしくね。」

「よろしくっ!嵐ちゃん先輩の恋人先輩!」

「?!」

鳴上くん固まった。全然動かねぇ。すごいな、天満くん。

「どうした?」

鳴上くんの頭を突ついてみる。

「玲吾ちゃんったら罪な人っ!!」

「痛っ?!」

背中を思いっきり叩かれた。驚いて鳴上くんを見たらキャーって言いながら顔を両手で隠してた。

それを見た天満くんが仲良しだ!と言ってる。違うよって言うタイミング逃してしまった。まぁいいか。

「あ、鳴上くん。月永ってユニットに顔出してる?」

ちらっと指の隙間から目を出しため息をついた。

「それが、前に一回顔出しただけでそれから全然来てくれないのよぉ…」

「でも一回は来たんだ。」

なんで?

「Knightsに新しく入った子がいるんだけどその子がリーダー見たいって。」

新人か。どんな子なんだろ。

「?…嵐ちゃん先輩の恋人先輩ってKnightsの人?」


「ん?俺、無所属。」

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