お茶

「あれ、ここどこ。」

ボーッとしながら学校の敷地内を散歩してたら、変な所に来てしまった。花がたくさんある。

たまにはいいな花見るのも。あ、いい匂い。

「…お客様、ですか?」

「ん?」

聞こえた方を向くと水色の髪で可愛らしい人が立っていた。

「…あ!貴方は、レコーディング室で歌っていた…」

「君、名前は?」

ガーデンテラスってとこにその人はいた。

「アイドル科一年の紫之創です。」

可愛いな。

「頭撫でていい?」

高峯くんのこともあって初めての人には聞くようにしている。今更だけど。

「えっ?!は、はい!どうぞ…」

わざわざ頭を俺に向けてくれた。

「ありがとう。」

頭を撫でる。気持ちいいですーなんて言うからちょっと嬉しい。

「名前、教えてくれませんか?」

上目遣い。無意識かよ。

「んー、どうしよっかな。」

「えぇっ?!」

紫之くんは本当にいい人だし

「…海崎玲吾、3年生。」

「海崎先輩…」

「名前でいいよ?」

「えへへ、玲吾先輩っ!」

返事をすると嬉しそうに笑った。



「はい、レモンティーです。」

「ありがとう。」

紫之くんが紅茶を出してくれるって言うからイスに座っていた。カップの取っ手を持って口をつける。

うまい。

「どうしたの。」

じーっと俺を見る紫之くんが少し気になった。

「えっ?!…あ、なんか…かっこいいなって思って…ご、ごめんなさい!」

謝られた。

「…ふ、それは嬉しいなぁ。」

恥ずかしそうに頬を掻く紫之くん。癒しだ。

「紫之くんは何のユニット?」

「Ra*bitsです!」

…ん?あれ、どっかで…


「あぁ、仁兎のユニット。」

「そうです!に〜ちゃん!」

そういえばRa*bitsで楽しくやってるって言ってた。まぁ、前のユニットよりはだいぶ気が楽だろう。

「…楽しい?」

紫之くんは胸を張ってはい、と返事をした。そうかそうか。なら、いい。俺も嬉しくなって笑ってしまった。

「…ッ今度、見に来てください!に〜ちゃんも喜ぶと思います!」

紫之くんはガタッと立ち上がって声を上げた。どうしたどうした。

「そうだね行こうかな。でもRa*bitsの仁兎達には内緒…ね?」

紫之くんが頷いてくれたから交渉成立だ。

「玲吾先輩…!」

「ん?」

「ま、また、ここにも遊びに来てください…っ!」

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