ツンデレ

ただ今正座中な俺です。

「ちょっと!?何ため息ついてんの?!」

「はいはい、ごめんなさい。」

「はぁ?もう何なの。ちょーうざーい。」

…いやいや、こっちのセリフだよ瀬名。俺の前で仁王立ちしている。

「てか何で俺正座させられてんの。」

ただ学校来て教室入ろうと思ったら拉致された。3-Aで正座してる俺の身にもなってくれよ…


「なっ?!昨日ゆうくんのこと襲ったでしょ!!」

…なぜこいつが知っている。ゆうくんって遊木くんのことだよな…?昨日は俺と遊木くん以外いなかったはずだ。

え、怖っ。

「いや、まず襲ってないし。」

「嘘つかないで!!」

鬼のような面で俺の肩をブンブン揺する。だから怖いってば。

「そういう感じにさせられたんだって。俺、我慢したし。…逆に褒めてほしいんだが。」

「ゆうくんのせいにする気?!」

いやいやまじ。俺手ぇ出さなかった。すごい。あの状況で我慢できたのすごい。

「…瀬名って遊木くん好きなの?」

「そりゃあもちろん…」

「んじゃあ俺は?」


「っえ…」

…あれ?反応が思ってたのと違う。顔が赤くなったぞ。え、俺、ゆうくんには負けるけどーっていう感じを想像してた。

「…嫌い?」

まぁ、そんな反応見せられたらいじめたくなっちゃうよね。


「ッ嫌いじゃ、ない…」

顔を背けて言った。ツンデレ、というものかこれが。めっちゃいいな。

「つまりは?」

「はぁっ?!」

「回りくどい言い方しないでよ、瀬名。」

俺をキッと睨むけど頬が赤いから逆効果だと思う。

「…すっ、す」



「玲吾?!なぜそこで正座してる?!」

「…は?」

「あ、蓮巳!おはよう。」

「おはよう…ついでに立て。」

ありえない、とでも言いたそうな瀬名をよそに手を差し出す蓮巳。怖くて瀬名の方を見れないが蓮巳の手を握る。

「よっこらせ…」

足は…痺れてない。よかった。

「ありがとな。」

「…あぁ。」

フイッと自分の席のところに行った。意外と勇気あるよね蓮巳って。

俺も教室に戻ろうとしたら服の裾を掴まれた。


「…好き、だと思う…普通に。」

俯きながら俺にしか聞こえないように呟く。

「ん。ありがとう。」

蓮巳がこっちを見ていないのを確認し髪の上から額にキスをした。

prev / back / next
×
「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -