ん。

朔間零side


懐かしい匂い。いつからこの匂いに包まれてない?二、三ヶ月会えないのは当たり前。短くても一ヶ月。

やっと会えたんだがのう…

「…邪魔をするな、わんこや。」

感動の再会、じゃろ?こういう時に遮られるとちと頭にくるぞ。

「なっ?!お前ら、キ、キスして…」

「…?」

キス?

「ははっ、何言ってるのさ。君から見た角度でキスしてるように見えただけだよ。勘違い。」

そう言ってわんこに笑顔を向ける玲吾くん。

「あ…」

これは、

「君は名前なんていうの?」

「…大神晃牙だ。」

「そうか大神くん。」

「…ッあぁ。」


「…我輩は寂しいぞー…」

玲吾くんに再度抱きつく。

「おっと…ごめんな。」

また一人増えたかぁ。

「そういえば我輩に何の用じゃ?」

さっきから黙ってこっちを見ておる葵兄弟に向けて。

「あっ!忘れてた!!」

「えっと、朔間先輩ならこの人の名前知ってるかなって思って…」

またはぐらかしたのか。

「でも、朔間先輩は玲吾って言ってたよね!」

…呼び捨て、とな?



朔間零side終
────────────



俺を抱きしめる力が更に強くなった。どうしたんだろう。

「名前バレたなら仕方ないね。俺は海崎玲吾。」

「おおお!!」

え、なんでここで歓声?

「違う科の人…?」

誰もが口にするその言葉。今日は零に会って機嫌いいから教えてあげよう。

「残念。アイドル科、三年生だよ。」

「…は?」

三人はありえないというような表情をしていた。

「で、でも見たことない…」

「まあ、放課後くらいにしか顔出さないし。」

「…もういいじゃろ。」

ありゃ、言い過ぎたか。

「詳しい話は後々だね。」

零の機嫌が悪くなってる。

「UNDEAD、見に来るのか?」

俺の髪をいじりながら聞いてきた。

「あー。全員集まらないと意味ないよなー。」

やっぱり完成形を見たいし。

「…そうか。」

「玲吾先輩見てくれるの?!」

「え?あぁ、気が向いたらだけど。」

「俺たち2winkっていうアイドルユニットです!」

2wink。双子ユニットは悪くない。どんなスタイルか気になるなぁ。

「…よし、後で見に行く。」

喜びの声をあげる二人。


「……。」

疑いの目をするやつ一人。

prev / back / next
×
人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -