▽ 0-4
どうせなら誰も私の事を知らない土地で、全部忘れてやり直せたらいいな・・・・・・。いっそのこと外国とか?
そんな途方もないことを考えつつ時計を見る。
やばい、もう15分もここにいる。流石に友人も心配して探しに来る頃だろう。
酔いも少しは覚めて気分も良くなったし戻ろう。そう思い手すりから離れようとしたその時・・・・・・
バキッ!
「え?」
一瞬何の音か理解出来ず横を見ると、私がもたれていたはずの手すりが根元から折れて外れている。
嘘・・・待って!落ちる!!!!
「・・・っ!」
落ちると思い手を伸ばそうとしたときにはもう遅く、私の身体は手すりの外に投げ出されていた。
[手すり等が老朽化している為関係者以外の立ち入りはご遠慮ください。]
非常階段の扉にそんな案内板が掛かっていたなんて、この時の私には知る由もなかった。
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