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▽ 0-2



大好きだった人に突然振られたあの日から、私は現実の恋愛に臆病になった。

そんな私が現実から逃避先に選んだのが、二次元の世界だ。もともと漫画やゲームは好きだったけど、この1年でさらに拍車がかかったと思う。


「我ながらよく集めたよね」

昔から好きだった漫画に最新のゲーム。本棚にびっしりと詰まったそれらは、私の唯一の逃げ道だった。


せっかく今日はゆっくり漫画読みながらごろごろしてようと思ったのに・・・。でもさすがに、私のためにと心配してくれている友人の気持ちを無下にはできない。

私は諦めに似たような気持ちで、出かける用意を始めたのだった。



「なまえー!こっちだよ!」

待ち合わせ場所に着くと、笑顔で手をふっている友達が目にはいる。


「お待たせー!てかいつもの事だけど誘いが急なんだってば!」
「ごめんごめん、でも前もって言っててもなまえは来てくれないでしょ?」

確かに前もって合コンなんて言われてたらその日に仕事入れるかも・・・。


「どうせ家で漫画読むだけだったんでしょ?たまには現実のイケメン見て癒されよ!」
「現実のイケメンになんて興味ないもんねー。今日だって新刊読もうと思ってたのに」

仕事で忙しくて読めてなかった漫画の最新刊、せっかく今日こそゆっくり読もうと思ってたのに。

心の中で文句を言いつつ、ここまで来てしまったのだから仕方ない。今日は諦めて飲もう。


自分に言い聞かせるように、私は待ち合わせ場所だというお店に向かうのだった。


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