You don't know me | ナノ
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▽ My treasure



「まぁいい。今度キュラソーがノックリストを奪う手筈になっている。そうすれば全てわかることだ」

結局この人は私の情報なんて最初からアテにしていなかった。


「他の男に惑わされる奴に用はない」

真っ直ぐに私に銃口を向けるジンの姿に、不思議と恐怖は感じなかった。


冷たく、けれども揺るぎのないジンの瞳。


ああ、私はきっとこの瞳は嫌いじゃないんだ。


この人みたいな強さがあれば私も彼を守れたはず・・・・・・。


結局私が何より許せなかったのは



弱い自分自身だった。





パンっと乾いた銃声と共に体の力が抜ける。


死ぬってこんなに一瞬なんだ・・・・・・。


段々と意識が遠くなる。


これで楽になれるんだ。

もう何も考えなくていい。


唯一心残りは、私と同じ色の瞳を持つ彼を守ることができなかった。


あの時も、今も、
私だけが彼に救われていた。


この気持ちが恋かと聞かれると、答えはわからない。
けれど彼の存在は私にとってかけがえのないものだった。


「・・・・・・会い・・・た・・・いな・・・」



────・・・・・・目を閉じると遠くで彼の声が聞こえた気がした。


Fin


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