ライアー

 友人たちの言葉といろんな音が鋭利な刃のように思えて、鍵をしめた。
 一人暮らしのために買った青いカーテン。百円ショップで攫ったプラスチック製の小物。
 三つ重なったインスタント麺のカップと割り箸。
 スマートフォンに繋がれなくったイヤホン。
 灰色のキャンバス。
 だれかが悪いってわけじゃない。悪いのは俺のほうだって、悲劇のヒーローぶるつもりでは……あるかもしれない。
 ただ、全て忘れたくなって、キャンバスが好きだったから、
 それに没頭しようって決めた、だけだ。
 今は靴をどう描くか悩んでいる。硝子の靴。
 俺には合わないだろう、幻想の――


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