Classical 02

 一つ目のジムはターフタウンにあり、閉会式が終わればジムチャレンジャーは3番、4番道路経由で目指すことになる。道中のガラル鉱山ではしばしば願い星が採れることでも有名だ。
 レイナも同じジムチャレンジャー同士でバトルしながらトンネルを進んでいると、聞き覚えのある声がした。

「あれ、ビートとマサル君じゃない。二人もここで特訓?」
「!誰かと思えばあなたですか。願い星について尋ねるついでに彼とバトルしていただけですよ。」
「願い星……?」

 ジムチャレンジ対策ではなく、願い星関連の相談はどういうことだろうとレイナは首をかしげる。二人とも研究員というわけでもなかろうに。

「二人は知り合い?」
「うん、そうだよ。ビートとはトレーナースクールで同級生だったんだ。」
「もっともただの卒業生である貴方とは違って僕はローズ委員長に選ばれたエリート中のエリートですがね。」

 マサルの問いにレイナが答えれば、ビートは鼻を高くして言う。学生時代から彼の人となりは良く知っているが、そんなビートに彼女はため息をつく。

「もー、相変わらず鼻につくことを言うんだから。卒業テストでは私のヤバチャに負けたくせに。」
「  !」
「っく。あれは偶然で、こっちの作戦が悪かっただけです!」

 レイナの隣でヤバチャが得意げになき、ビートは言葉を詰まらせながらも反論する。そもそもエスパータイプの使い手である彼に、ゴーストタイプのヤバチャは相性が悪いのだ。

「確かに勝負は時の運とも言うしね。私も悪タイプには苦戦するし。」

 まだまだ先の話だが悪タイプのジム対策を考え、それようのポケモンも育てているところだと彼女はこぼす。

「……あなたがとても7つ目のジムに辿り着けると思いませんけど。」
「だーかーらー、そういうの止めなよって言ってるの。」

 何か私に恨みでもあるのかと、いつまでも憎まれ口を叩くビートにレイナは頭を抱える。もっとも今に始まった話でもなく、ローズを除くほとんどの人に対して彼はそういう態度をとるのだが。

「ま、いいや。論より証拠っていうもの。私は先にいくね、またねー。」
「  !」

 ヤバチャもビートとマサルに手をふるように揺れ、レイナの後を追いかけた。

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