ひまわり 04

 畑で野菜を育てているとはいえ、生きるためにはたんぱく質も必要だ。レイナも野菜は好きだが決してベジタリアンなどではない。仕事が終われば釣りに勤しむ姿が見受けられた。少しでも節約するためである。

「こんにちは、釣れてる?」
「あ、レイナちゃん。今日は調子いいよ!」

 類は友を呼ぶというならば、新しい趣味を持てば新しい友ができるということだ。ひまわり諸島では釣りも盛んであり、嵐や吹雪でもないかぎり釣り仲間を見つけることができる。その一人であるリリーとはレイナと年も近いのもあって良好な関係だ。まさか芸能界にあまり詳しくないレイナでも知っている一時一世を風靡したアイドルとこのような関係になる日が来るとは、この島に来る前にはつゆほどにも思っていなかったが。

「あ、本当だ。よっし、私もリリーちゃんに負けないように頑張っちゃおうかな。」
「ふふーん、リッちゃんは簡単には負けないよー?」
「どうかなー、次の大会では大番狂わせになるかもよ。」

 この島でも釣り大会が行われるが、優勝候補としてあげられるのがリリーとダニーの名前だ。漁師であるダニーはもとより、リリーも釣りが趣味というだけあってなかなかの腕前だ。対しレイナは可もなく不可もなくといった具合だ。もとより釣り餌の取り付けすら覚束なかった彼女を見かけて、基礎から教えたのがリリーである。

「それに早く師匠の背中に追い付かないとね。」
「リっちゃんの壁は簡単には越えられないよ。と、きたきた!」

 そんな話をしているさなかにもリリーの釣り竿に大物がひっかかるのだった。

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