ひまわり 03

 向日葵諸島ではしばしば太陽の石というものが見つかることがあり、それらを使うことで新たな島が浮上する。理屈はさっぱりだがなんでもありなのがこの島だ。

「マルク君、その恰好どうしたの。」
「さっきまで火山島にいってたんだ。」

 船から降りたマルクは黒くすすけており、どうやら先日浮上したばかりの火山島に行っていたらしい。

「一人で?あそこ活火山みたいだし危なくない?」
「大丈夫だよ。それにほら、こんなものも採れたんだ。」

 本人は簡単に大丈夫だというがマルクは無茶を押し通す節がある。一友人としては心配になるレイナに、マルクは袋に入った黒く長いものを手渡した。袋をひらくとほのかに甘い匂いがする。

「これって羊羹?でも今、採れたてって。作ったんじゃなくて?」
「溶岩に水をかけると羊羹になるんだよ。」
「……駄洒落かな?」

 真顔になるレイナにマルクはそう言うと思ってたと苦笑する。マルクが現地で食べてみたところ特に問題なかったというが、それが逆に怖い。

「うーん、そういうことなら貰うけど。本当この島ってどうなってるんだろ。」
「もしかしたら女神様のおかげかもよ?」
「マルク君もそんなこというんだ。」

 茶化したように言う彼の言葉にレイナは目を丸くさせるのだった。

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