SSS!!

全てタイトルはアナログワールド様よりお借りしてます



▼花弁ひらり一つ


ぴたり、うなじに人差し指を押し付ける。
折れそうなほど白く細いそこに、真っ赤な花弁がひらりひとつ。

「ここ、キスマーク」

おまえは俺のものだというささやかな証。

(福蒼)


▼孤独な王様


誹謗中傷恨み妬みやっかみ根も葉もない噂にふくれあがった羨望という皮を被った刃。
笑い方なんか、忘れてしまった。
(キセキとは名ばかりで)
(大切だったはずの友も姿を消して)
楽しいって、ナンダッケ?

(キセキ暗黒時代)


▼不本意顔が上手いのね


そうやって、なんでもかんでも誤魔化してきた。
これは約束だから、俺が指導するって言ったんだ、最後まで面倒みるのが当たり前だろう、だから仕方なく…

「…福田さん」

いつからか、寂しそうに笑う彼女。
得意になったはずの不本意顔が、今となっては憎らしい。
(もっと、素直に、なれたら)

(久しぶりの福蒼)


▼秘め事の味


鳴り響く電話の音。
もぞり、と動いて布団から出ようとする、その体を後ろから抱き締められて止められる。

暫く鳴ってからぴたり、と止んだコール音。
「…悪い人ですね」
「同罪だろ」

2人でクスクス笑う。
秘め事の味は、甘く芳しく。

(福蒼)



▼寄せては返る


「…漣みたい、なんです」

彼に抱かれているときの自分の血潮を、快楽の波を、
的確に表現するならその言葉で。
福田さんが優しく抱いてくれるからだと、知っている。
彼の裸の胸に額を押し付けて擦り寄る。

寄せては返す穏やかな波に、
だんだん飽きたらなくなってきたと知ったら…
貴方はどうしてくれるのでしょう。

(福蒼)




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