SSS!!
全てタイトルは
アナログワールド様よりお借りしてます
▼浮上する気持ち
圧し殺そうと何度試してみても、ダメだった。
そっと髪に触れる。びくりと震えた肩を押さえ込むように抱き締める。
溢れ出す想いをそのまま唇に、のせた。
好きだよ、と。
囁いたときの君の顔は一生忘れないだろう。
(福蒼)
▼ラムネのピー玉
からから、カラリ。
手が届きそうで届かないガラス玉を見つめる。
福田さん、呼び掛ける声に振り向くこともできない。
分厚い瓶を叩き割る勇気を、俺に。
(福→蒼)
▼甘口カレーとオレンジジュース
「…笑いたければ笑えばいいのだよ」
「いやいや、とんでもない」
甘口カレーとオレンジジュース。
180を越える男子高校生がこんなん、ギャップ萌え以外の何ものでもないだろ、
と1人でにやにやする高尾でした。
(高緑)
▼グレイのスーツ
「……」
「…んだよ。馬子にも衣装ってか」
あんぐり、が実にぴったりな形容詞。
それぐらい見事に口を開けたまま人を見つめる蒼樹嬢にバツが悪くなり頭をかいた。
「…いえ、かっこよくて…」
頬を赤らめた彼女に馬鹿野郎…と小さく呟くのが精一杯だった。
(福蒼)
▼赤色蛍光ペン
「先輩、何してんですか?」
「暗記用のシート作ってんだよ」
「へー、この赤ラインひいてこのシートで隠すと消せるんですね」
「だいたいの奴がやったことあるんじゃねぇか?」
「ふーん…」
「…っておまえは何落書きしてんだよ!」
「じゃ、俺部活いってきまーすっ!!」
「オイ!黄瀬!!?」
貴方に残した暗号、
好きです、にはいつ気づくかな?
(笠黄)
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