「……ほうほう、なるほど。」

現実逃避したいと思った事は今まで腐る程あった。ほら、前の会社とかで。

だからか、まあ、ぶっちゃけ信じ難い事も思ったよりすんなり脳内に送り込む事ができたんだ。
ビックリはしてるけどさ!本当にね!!

喋れると言う事で何かあるんじゃないかと、今までの二匹…いや、彼らの生い立ちやここに来る前の事を全て聞き出した。


少し私と距離を置いてるのは、…捨てられるとか、なんとかいろいろ考えてるんだろうなあ。


「信じられないよな…こんな話。」

「俺達もまだ信じられない部分あるしね…。」

「まあ、驚きはするよね。拾った猫が忍者で現代にトリップしてきたなんて。」

「「…え、トリップ??」」

「え?違うの?」

キョトンとする二人に私まで同じような顔になる。え、だってあれでしょ。ドラマとかによくあるやつじゃん。

「何かしらの力かなんかが加わって、一時的にこっちに来てるんじゃない?だってここに来る前、猫になりたいとか遠くに逃げたいとか考えてたんでしょ?」

「…願い事が叶ったって事か。」

「そゆこと。…まあセオリー通りに行けば帰れるんじゃないかな。

…うーん、まだ信じ難いけど、こうして喋れてるんだし、…私もまだニートだから手助けするよ。帰れるように。」

そう言うと二人は顔を見合わせて、また私を見つめる。…うん、可愛いな。

「いや…え、いいの?」

「生き物を飼ったら最後まで面倒を見るのが人として当然だよ。」

「…は、ハチぃい!!!」

そう言って、勘は私の懐に潜り込んできた。ちょっと待て、ハチって誰だ。

「私の名前は嵐だからね。」

「…嵐、ありがとう。あと、あの日引っ掻いてゴメン。」

「いいよいいよ。気にしないで。」

そう言って兵の頭を撫でる。うん、いい子だ。

…さて、お腹もすいた事だし、改めてスーパー行こうか。ちょっと暗くなってきたし、もうスッピンでいいや。

「そろそろ買い出し行ってくるよ。」

「え!俺甘味欲しい!!」

「流石に猫じゃ駄目でしょ。人間に化けれるなら話は別だけど。」

「えー!頑張ったらいけるかな…。」

あ、ちょっと待て。このパターンはいかん。

「兵…!止めて!」

「…豆腐…この時代の豆腐…」

「駄目だ!こいつ!!」

そう言ってる間に、二人の尻尾がちょっと光り出して…

え、マジで?








ポン!!!


「「あ、いけた!」」

「……とりあえず服を着ろ!!」


もう驚かないぞ!!!私は!!!




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