「私が拾ったのは可愛い黒猫二匹であり、少年二人ではない!!」
そう宣言したのが数十分前。何故か今は『三人』でスーパーに来ていた。
喋れてもまだ猫とカテゴリーされていた彼らはあろう事か人間に戻る事も出来たみたいで。 流石にそれはたまったもんじゃないと家ではなるだけ猫でいるように条件を出したら(食費とかその他云々と、私の癒しの為に!)承諾するから買い物連れていけと言われてしまい渋々こうなってしまった。
…あと彼らの髪の毛はやはり昔の人って感じで現代では浮きまくるほど長かったんだけど、それも何度か化けてたら要領を得て、現代風の短さにできるようになった訳だ。あと、服は私の寝間着にしていたスエットとTシャツを貸した。(貸したというか、あげた。…私、流石に男性用下着は持ってないから今二人は……まあそういう事。)
「兵ー、ここが豆腐ゾーンだよー。」
「す、凄い…!」
「嵐、これ暫く動かないよ。」
辺りにバレないように立ち振る舞ってる二人は流石忍者ってところだろうか。が、野菜コーナーを抜けて、豆腐売り場へ行くと兵の目が変わった。 …え、そんなに豆腐好きなの?
キラキラ目を輝かせて、微動だにしない兵に仕方ないから、三個までねと言ってから勘と二人でお菓子コーナーへ。
「私は冷静キャラだと思ってたんだけど。」
「兵助は豆腐絡むとマジキチキャラだよ。」
「マジか。キャラ濃いな。」
途中、安売りのお肉とかをカゴに放り込み、お菓子コーナーへ行くと今度は勘が目を輝かせた。…うん、なんかこうして見ると二人共、年相応っぽい。
(それでも若干大人びて見えるのは、現代にはない危険と共に生きているからなのか。)
なーんて、ちょっぴりシリアスめいた事考えてると、兵助が満面の笑みで男○豆腐を持ちながら、こっちに走ってくるから思わず噴き出した。
似過ぎ。だめ、つぼった。
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