Won't you came and sit beside me? [ 5/6 ]

僕はナルニアの英雄王
最近この座について、兄妹たちもナルニアの暮らしに慣れてきていた

「今日は天気がいいな!」
「私、散歩してくる!スーザンも行きましょ?」
「わかったわ」
「気を付けるんだぞ」

ルーシーとスーザンは散歩に行き
いると思っていたエドマンドもどこかに行ってしまっていた
庭を一人でぼんやりと眺めていた

「…ん?」

草が揺れた
僕は剣を手にし、大きな庭の木の陰までいく

「誰だ!」
『ひいい!そんなものお収めくださいいぃ!!』

剣を下した先には、羽の折れた大きな妖精が座っていた

『貴方様を一目でもみたくて、飛んでいたんです!そしたら木の間に羽を挟めて…』

このザマです…と、肩を下す妖精
なんと間抜けな妖精だろう…!ピーターは心底そう思っていた
彼は驚きながらも剣を収めた

「すまない、僕も驚いてしまって…てっきり妖精って、もっと…」

彼は言葉を考えながら彼女を再び見た
それはピーターの考えていた妖精とかけ離れていて、そこら辺の女子のような大きさ
しかしその控えめな身長とは裏腹にどこか大人びていた顔つきは、ピーターの心を揺さぶった

『…もっと、小さいとお思いに?』
「あ、ああ、手のひらくらいだと思ってたから」
『私たちの種族はこのような大きさなのです。他の種族はきっと貴方様のお考えの通りですよ』

初めて彼女が笑った
心地よい太陽に照らされてグリーンの瞳がキラキラと輝いていた

「!…な、中に入らないか?外は…その…太陽に焼かれてしまう」

外で遊ぶこともあるのに、このときだけは、なぜか焦ってしまったのだろう

『…いえ、こちらのほうが、心地よいですよ。ほら、ここに来て座ってみてください』
「ああ…」

ピーターが木陰に座ると、心地よい風が吹いた

『ふふ、素敵でしょう?』

ピーターが目をつぶってしまっているのをみて、優しげに微笑んだ
しかしピーターは情けないところを見せたと恥じた

「す、すまない、その…落ち着いてしまったから…」
『いえ、いいんです!むしろそちらの方がリラックスできませんか?』

彼女の言葉にも段々と慣れてきて、笑って頷いた

「そういえば、名前を聞いていなかった。聞かせてくれるか?」
『はい!私、妖精の名前と申します!』
「ははっ、その言葉遣いもやめよう。堅苦しいしな。」
『そんな!滅相もありません!』
「いいんだ。ふつうに話してくれ」

彼が笑うと彼女も笑った

『…はい!よろしくね、ピーター!』
「ああ、よろしく!名前」






Won't you came and sit beside me?
(私の傍に来て座りませんか)

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