たまには、甘えてみようか。 [ 2/6 ]

「なあ名前!」
『もう、今度はなに?』
「今度こそ成功させるから!見てて!」

頭まで真っ黒なシェーマス・フィネガンくんは私にむかって笑顔で言う
今度こそ魔法薬学で習っている薬を成功させるらしい
授業中だっていうのに、もう

「いくぜ!」

そんなシェーマスの掛け声と共にボン!と素晴らしい音が鳴った
シェーマスと付き合い初めて3ヶ月くらいだろうが、この音はもう聞き飽きた
もちろん、彼の顔を見ればいつものように焼け焦げていた
そんな彼の顔をもう、と言って丁寧にハンカチで拭いてやる

「へへっ!また失敗しちまった!」
『なんで貴方はそう爆発させるのが上手なのかしら!』

周りから見ればまるで親子のよう
横にいたディーンからこそっと言われた

『調合は間違ってないと思うんだけど…』

私は豆の汁を入れた
爆発は起きない

「おっかしいなー…なんで僕のは爆発するんだ?」

いつもよりも真面目な顔でのぞき込む
その様子が、なんだか可愛くてくすり、と笑う

「なんだよ、なんか可笑しいかよー」
『ふふ、なんでもないよ』

私は笑いながら少し背の高いシェーマスの頭を撫でた
シェーマスは唖然としてからニッと笑った

私も嬉しくなって笑った
笑いながら豆の汁を入れたら、薬がボンッと言って爆発した

「…」
『…』

「『ぶっ』」

私とシェーマスは吹き出して笑った
その後も二人は手を繋ぎながら授業を受けた

傍にいたディーンに呆れられたのはまた別の話

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