「黄金の台風」

クラスの中でも目立つ髪の色
金髪

彼は神谷新ニ。陸上部だ。
陸上部といえば、一之瀬連なのだが、その一之瀬と同じような速さで走るらしい

そんな彼を見てるのが私

新ニくんに好きな人がいる事くらいわかってる
それに部長になって大変そうで、私も手伝いたい
でも私はただの生徒。陸上部に手を出すつもりもなかった

逆に陸上部じゃなくてよかったとも思う
噂では、この春野台高校の陸上部は部内恋愛禁止だそうだ
それでも新ニくんは同じ部の谷口さんの事が気になってる

私もそんな目で見られたい


今日も下らない日
時間だけがどこかへ消えて、あっというまに一日は終わる
私は放課後、屋上からグランドを見るのが日課
屋上から陸上部の場所を探す

『(新ニくん新ニくん…)』

陸上部の中の金髪を捜すのに手間は掛からなかった
新ニくんは真面目に走りこみをしていて、その走る姿がなんともいえない

『は、速い……』

さすが一之瀬連と争うほどの実力者
100mあったとは思えない

すると新ニくんがいきなりこちらを向いてきた

『………っ!!』

新ニくんの瞳が私を貫いてる
ドクンドクンと波打つ心臓が煩くて仕方がない

私はとっさに屋上から抜け出した
なんだか変な気分

私はすぐに変える仕度をして、玄関まで駆け抜けた
早く帰りたい
早く帰ってこの顔の緩みをどうにかしたい

私は息を乱しながらも、靴を履いて走り出した
するといつの間にか、目の前に人が出てきていた


「……ねえ」

新ニくん

新ニくんとは1回ほどしか会話したことがない
この会話も少ないうちの大切な1つだ。大切にしておこう。

「さっき屋上から見てたのって桜井?」

いきなり名前を呼ばれる

『そ、そうです…』

新ニくんの瞳が私の頭を真っ白にする

「陸上に興味あるの?」
『え…?』

陸上には余裕で興味がない
ただ走ってる新ニくんがかっこいいからだなんていえない

『ち、違うよ!』
「え?じゃあ…陸部に誰か気になる人がいる……とか?」
『…っ!!』

まさかそんなことを言われるとは

「え、図星?」
『えっ!?あ、あのっ…その…』
「ああ、ごめん。なんか一度に言い過ぎた?」
『そんな事ないっ!』

ああ私ったら恥ずかしい
テンパりまくり

「こんなこと言っちゃ変だけどさ」
『?』
「俺ずっと桜井と話してみたかったんだ」

え?それってどういう意味?

「なんかさ、桜井って皆とはちょっとオーラが違うって言うかなんていうか」

私の頭上は疑問符でいっぱいだ
それはこの緊張のせいでもある

「俺ずっとあんたの事気になってたんだ!」
『ふえっ!?』

ずいっと体を近づけられ、気づけば両肩をつかまれていた
そんな新二くんの瞳はその頭のようにキラキラしていて

『えっ……え?……それはどういう意味で…?』
「どんな意味でも!!」

な……え?
新二くん、熱でもあるのだろうか?そう思った

「とりあえずメアド交換しようぜ!」
『あ…う…はい…』

私は流されるままにケータイのメールアドレスを交換していた
新二くんって、鈍感?それとも天然?どちらか?どちらもだろう

「じゃ!今日メールするから!」
『う、うん…』

そういって新二くんはグランドの方へ走っていった
なんだかものすごい風が通り抜けたみたいだった

まだ新二くんに触れられた所が熱い
体温も高い
私の頭の中は、新二くんだけだった









***

一瞬の風になれが面白くて仕方が無い件
新二好きです。口調わかりません。
 
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