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「治癒系の個性なんて、どんな職業でも活かせる良い個性じゃないか。誇るといいよ。」

「え、ええー!ほんとぉ?んへへへへ!」



チョロい女代表、ミョウジナマエです。こんにちは。

診断結果出されたときは不満でしたが、オールマイトに愚痴り"そんなことない!"と褒められると一変。父並みのデレデレである。



「ナマエちゃんは何か将来なりたいものとかあるのかい?」



普段名字+少年少女呼びのオールマイトが私の下の名前でちゃん付けというのかめちゃくちゃ嬉しい。

名前を呼ばれる度にうへへーってにやけてしまう。




「えー、うーん……」




"憧れちまったもんは、仕方ないだろ"



雄英体育祭で心操くんが言っていた。

憧れはある。

アニメを見て、輝くA組を見て、何度も"いいな"って思った。


けど、


私が原作に介入して良いのかは分からない。


介入して、変わったら?

USJ襲撃で敵が勝利したら?

神野区での戦いで、




「…………」





オールマイトが、死んだら?




"このままいけば、貴方は敵と対峙し…言い表せようもない程…………凄惨な死を迎える!!"





デクがこの先変えるかも知れないサーナイトアイの未来予知を、変えられなかったら?







本当は、今すぐ………




「ナマエちゃん」





優しい声と共に、同じく優しい手が頭に置かれた。

声の出所のオールマイトを見ると、昨日と同じく、もっともっと優しい微笑みを向けるオールマイト……八木さんがいた。




「君は賢い子だ。きっと色んな事を考えているんだろう。」

「……やぎさ、」

「自分の考えが与える周りへの影響ってのはなかなかに怖いだろう。
だから、今聞くことは誰にも言わない。
オジサンにだけ、教えてくれないか?」


「…………」






"超かっこいいヒーローさ。僕もなれるかなぁ"


"俺はオールマイトの勝つ姿に憧れた!"


"俺だって……ヒーローに…!!"






「いいのかなぁ……」

「良いんだよ」

「じしんない…」

「誰だってそうさ」





「……………わたし、ひーろーになりたい」






「なれるよ」



"君は、ヒーローになれる"









そうだ。

誰だってヒーローになれる根拠も、勝てる見込みもない。


それでもヒーローになって、勝って、助ける。





それがかっこよかったんだ。




"何か"を守り通すヒーローがかっこよかったんだ。








「わたし、すきなひとをまもるヒーローになるよ」

「私の事も守ってくれるのかい?」

「うん、やぎさんすき」







勝てなくたって、死んだっていい。

私が守れなくても良い。


大好きな人が助かるなら、幸せなら、それを手助けできるヒーローになりたい。





わたし、ヒーローになる




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