やっぱり



やっぱり



やっぱり!!!






無二の親友が、今までどれだけ傷つけられてきたか、

今からどんな覚悟で私たちと別れようとしてるのか、

それを、私達は"ユウ"という女の子から聞いた。



彼女の養母からアイが帰ってきたと知ったユウは、私達に真実を打ち上げに来たのだ。




本来なら、自分の親友を傷つけるこの島への怒り、なんの相談もしてもらえなかった悲しみ。

そういったものを感じるはずだけれど、



やっぱりアイは事情があっただけだ。
私たちと本当に別れたい訳じゃない。


その事実に対する喜びしか感じなかった。




「………アイさんのこと、助けてくれますか」




しきたりが絶対のこの島で、どうしてユウとユウの養母おかあさんがこんなにアイの味方をするのか分からない。

でも、優しいあの子のことだから、

きっとこの子達を動かす何かがあったんだ。



「助けるに決まってんだろ。」

「………ええ。絶対助けるわ。」



俯くユウに力強く返す船長に同意する。

当たり前よ。

要らないと言われたって助ける。






だってまだ私達は、


「私達は仲間だから。」





そして、立ち上がった。





質の似通った彼女と笑い合う考古学者も

「手がかかる用心棒さんね。」


自分を省みない彼女を心配する船医も

「アイ…怪我してねェかな…」


不器用な彼女を笑う狙撃手も

「全く世話の焼ける奴だぜ!」


強い彼女に挑み続ける剣士も

「……勝ち逃げは許さねぇ」




無愛想な彼女を大笑いさせる船長も

「……行くぞ、お前ら」





そんな彼女が大好きな私も。




「「「「「オォー!!」」」」」






そして恐らく、この場にはいないコックも。


方向音痴のゾロが海に沿って戻ってきたくらいなのに、彼が戻ってこれないはずがない。


もう彼は彼女の元へと走っていることだろう。





「これくらいで諦めると思った?アイ



うちの船員は全員、しつこさが取り柄よ!」





その後、船長と剣士は迷子となってはぐれた。

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