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エロ本を見つけてしまったinV3



リクエスト:V3でエロ本みつけた

Case.王馬

「あ、オレ東条ちゃんに夕飯持ってきてもらう時間伝えなきゃ!ちょっとだけ出るからテキトーにくつろいでてよ!」
「はーい!」
王馬の部屋の扉が閉まる。遠のく足音を聞いてから、私は腕まくりをした。
「よーし!今のうちに王馬の弱みになるもの探そう!……って、ベッドの下からエロ本ってベタすぎない!?なんか超マニアックだし……。あんな可愛い見た目してるけどやっぱ男の子なんだなー……」
ピカッと周囲が光る。振り返ると、いつの間に戻ってきたのか、インスタントカメラを構えた王馬が立っていた。
「ん……?」
「わあ!偶然にもみょうじちゃんがマニアックなエロ本を読んでるところを写真にとってしまったー」
妙に説明的な口調で言った王馬が、早々に身を翻す。
「みんな知ったら驚くだろうなぁ。早速現像してこよー」
「待って!」
慌ててカメラを取り上げようと、彼の背中に飛びかかったら、素早くかわされ腕を掴まれた。勢いを殺さないまま遠心力を利用し振り回される。私は一瞬にしてベッドに倒れ込んでいた。
何が起きたかわからない内に、圧迫されるような息苦しさを感じる。うつ伏せになった私の背中に彼が座り込んだのだと理解したのは、背後に王馬の笑い声が降ってきてからだった。
「みょうじちゃんってマヌケだよね〜」
「しゃ、写真消してよ!」
必死に脚をバタつかせるけど、全く当たらなかった。腕も届かないし、起き上がることもできないし、お手上げ状態だ。
「それって人にものを頼む態度じゃないよね?」
「消してください!」
「そういうのじゃなくてさあ」
彼の手が私のスカートを掴む。ギョッとして固まったら、じわじわと持ち上げられていくのを感じてしまった。
「オレ、もっと色っぽいのがいいなー」
「ばっ、ばか……これ以上は冗談じゃすまないから……」
「冗談なんて、オレ一言も言ってないよ?」
王馬が前のめりになった。耳元に唇が寄せられ、背筋を何かが這い上がる。
「ねえ、みょうじちゃん、上手におねだりしてみてよ」
至極楽しそうな声に、いつしか身動き一つ取れなくなっていた。



Case.最原

「最原君ー、小説楽しい?」
「うん……」
「(集中してる。こうなったらダメだな……)最原君、私も小説読ませてもらうね」
「……うん」
「何か面白そうなのないかなー。……ん?これは……」
「……」
「……」
「ふー、面白かった……あれ、みょうじさん、何読んで……うわぁあぁあ!!」
「!!な、びっ、びっくりした……」
「何読んでるんだよ!!」
「えっ、これ、最原君の本棚にあった……」
「ダメだろ!こ、こんな……」
「官能小説?」
「いっ、言うなよ!」
「ごめん……嫌だった?」
「ぼ、僕がっ、ていうか、みょうじさんはっ、ていうか、え?なんで普通に、普通なの?」
「え、だって……こんなの私たちくらいの歳なら普通じゃない?」
「えっ!?」
「それに文字だからそこまで過激に感じないし……」
「そ、それは違うぞ!文字だからこそ、想像力を掻き立てられるんだ!例えば相手の女性をみょうじさんに置き換えることだっ……て……」
「……」
「…………ご、ごめん」
「わ、私こそごめん……」


Case.天海

「あっ」
「……!すみません」
「ごめん!私がうっかり見ちゃったから……」
「いや、本当申し訳ないっす」
「なんで天海君が謝るの?」
「こんなところに隠しておいた自分が迂闊だったんで……。不快じゃないっすか?彼氏のこういうの見つけたら」
「え、ううん……びっくりはしたけど……あ、でも確かに、表紙の子、胸大きかったなって、ちょっと思っちゃったかも」
「……正直っすね」
「だ、だって」
「俺はそういうみょうじさんが好きなんで、見た目はどうでもいいんすよ」
「天海君……」
彼の手が、私の前髪をかき分ける。静かに目を閉じると、唇が重なった。
「みょうじさん、いいっすか?」
「……うん」
彼が電気を消す。私は促されるままに、ベッドにあがった。



Case.キーボ

「キーボ!人間についてより深く理解するための参考書あげる」
「こんなにたくさん!ありがとうございます……ってなんですかこれは!」
「見ての通りエロ本だよー」
「セクハラで訴えますよ!」
「ちょっと……親切じゃん!あんたが熱心に人間のこと勉強してるからさあ……」
「だ、だからってこんな……」
「ちなみに他の男子から一冊ずつオススメ選んでもらいました」
「知りたくない情報でした……。縄縛りや幼女相手の、明らかにマニアックなものがあるのですが……」
「あ、それね、どれが誰のか知りたい?」
「知りたくありません!」
「聞いてよ、王馬が意外にノーマル趣味でウケるんだよ」
「だから知りたくないですって!」
「ちなみに私のオススメはこれね」
「なんで当たり前のようにみょうじさんまでオススメがあるんですか!女性としての恥じらいを持ってください!」
「え……キーボって私のこと性の対象として見てたの?ごめん、私ロボットはちょっと……」
「挙げ句の果てにロボット差別ですか!?本当に訴えて勝ちますよ!!??」

170214