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自室で寝ている女の子にinV3



リクエスト:自室で夢主が寝てしまったときのキャラの反応

Case.王馬

寝苦しさに目が覚めた。あたりは暗く、部屋の電気が消えているらしい。あれ、私いつ寝たっけ、と周囲を見渡して、隣に眠る王馬に気づいた。心臓が止まるかと思うほど驚いた。
「な、なんで私、こんなとこで寝てんの!」
「んー、むにゃ……こんなとこって……酷いな……総統のベッドで寝られるなんて貴重なのに……。……」
「ちょっと!寝直さないでよ!ていうか離して!」
起き上がろうとすると、腕にしがみつかれて阻まれた。躍起になって引き剥がそうとすればするほど、彼も力を込めてくる。
「勝手にオレの部屋で寝たのはそっちじゃん?用済みになったら捨てるの?」
「人聞き悪いこと言わないでよ!てか起こしてよ!」
「起こしたよ。けど起きなかったの。だいたい、オレを無理やり引きずりこんだのはみょうじちゃんだからね」
「嘘!?」
「うん、嘘ー」
脱力した私を見て、王馬が楽しそうに笑う。不意に腕を引かれたかと思うと、布団の中でもぞもぞ動き、私の上にまたがった。
「でも悪いのはみょうじちゃんだよね?むしろ何もしないで耐えたオレに感謝するとこじゃない?」
口も目も、変わらず孤をえがいているはずなのに、何故だか怒っている気がした。
言い合うのは得策ではないと判断した私は、素直に「ごめん」と謝った。
王馬は「いいよ、仲直りね」と私の額から頬をなぞるように撫でた。意外に大きな男らしい手に緊張する。てっきりすぐに解放されると思ったのに、なかなかどいてくれない。
「あのー……王馬さん?」
「みょうじちゃん、怯えてるでしょ」
首筋に当てられた手が、脈を測っているのだと気づいたときには手遅れだった。思い切り王馬の胸を押して逃げ出そうとするけど、ビクともしない。それどころか両手を取られて握り込まれてしまう。ばくばくと脈打つ振動を、首の裏側に意識する。
「寝てる子にイタズラしたって楽しくないけど、今のみょうじちゃんに無理やりするのはつまらなくなさそうだね」
ごくんと喉がなる。王馬はそれに気づいたのか、歯を見せて笑った。いつも通りのあどけない笑みだったので、お得意の決め台詞が続くと思ったのに、彼はこんなときに限って口にしない。
「もう『待て』は聞かないからね」
王馬が私の服の裾を掴む。とっておきのプレゼントを開く子供みたいに、思い切り、丁寧にまくりあげた。

Case.最原

夜時間を告げるアナウンスを聞けば、彼女も目覚めるだろうと思った。ところがみょうじさんは目を覚ますどころか、寝返り一つ打たなかった。
すやすやと安らかな呼吸を繰り返す彼女の寝顔を、かれこれ数時間眺めている。我ながら気持ち悪いと思うけど、本当に、形容もできないほど可愛らしく、全く飽きがこないのだ。
「あの、みょうじさん……」
声をかけても、身じろぎ一つしない。肩を叩いて揺さぶれば起きるかもしれないが、触れることすら恐れ多かった。結局、僕は彼女を起こすことを諦め、そのまま床で寝ることにした。

「……君!最原君!」
眠りを妨げる振動と声に、意識を取り戻す。気づけば彼女が側にいて、必死に僕を揺さぶっていた。
「ごめん!私ったら最原君のベッド陣取って寝ちゃって……!!」
「え……あぁ、気にしないで……」
「蹴り飛ばしてくれてよかったのに!!それかおんなじ布団で……なんて無理だよね!ほんとごめん!!」
なんだかとんでもないことを言われた気がしたけど、起き抜けの頭には入ってこなかった。やけに慌ただしい彼女の言葉を聞きながら、上体を起こして座る。
「ごめんね、最原君。多分、いま夜時間で……二時とか三時かな?とりあえず私、部屋戻るから、最原君もきちんとベッドで寝てね」
「ん……」
「鍵、しめてね!」
「わかった、ありがとう……」
「ほんとごめんね!!」
そそくさと出て行く彼女を見送って、言われた通りに鍵を閉めた。ふらつく足取りで部屋を進み、倒れるようにベッドへ横になった途端、一瞬で意識が覚醒した。布団からあふれるように漂ったのは、まぎれもない彼女の匂いだった。ほんの数時間寝転んだだけで、どうしてこんなに香るのか。
体を起こした僕は、膝を抱えて座り込む。とてもじゃないが、こんなところで眠れるわけがなかった。

Case.天海

同じ部屋で過ごしながらも、互いに別々のことをするのは珍しくなかった。天海は自分のベッドで読書を、なまえは机に向かって絵を描いていた。しばらくして天海が顔をあげると、彼女が机に突っ伏している。名前を呼んでも返事がないので、天海は本を閉じ、立ち上がった。
「そんなところで寝たら風邪ひくっすよ」
肩に手を置き揺さぶるけれど、リアクションがない。天海は肩をすくめると、まずは彼女の下敷きになったイラストを避難させようと、そっと紙を抜き出した。
なまえは暇さえあれば絵を描いていた。特別うまいわけでもなかったが、天海は彼女らしいゆるくて味のあるイラストが好きだった。
「起きてください」
「んぅ……」
眠りが浅くなったのか、眉根が寄った。天海はその額が急に愛しくなって、つい唇を寄せた。さすがに起こしたかと思ったが、なまえは安らかな呼吸を繰り返すばかりで、一向に目覚める気配がない。むにゃむにゃと口元が動くのを見て、小さな笑いがこぼれた。天海は、彼女の座る椅子を引く。背中と膝裏に手を回し、慎重に抱きあげると、なまえの部屋へと送っていった。

Case.キーボ

「みょうじさ――ん!!起きてください!!」
「うーん……あと五分……」
「五分ですね、分かりました!」
〜五分後〜
「みょうじさん!五分経ちましたよ!!起きてください!!」
「うるさい……」
「うるさいとはなんですか!!みょうじさんが起こして欲しいというから僕は……」
「うるさいぃ」
「った!ちょっと!叩かないでください!!痛い!そこ叩いても止まりませんから!!」
「スヌーズ……」
「ボクは目覚まし時計じゃありません!!」

170220