妄想の墓場 | ナノ
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頼もしいカルマ君



「え?カルマ君、早退するの?」
学校へ来たばかりなのに、彼は早々に帰り支度をしていた。
「うん、なんで?」
返答に詰まる。今日の日付は私の出席番号だ。勉強に自信がないので隣の席の彼を当てにしていた。そんなことを言えるはずもなく、「なんでもない」と答える。しかし彼は私の視線を追い、黒板に書かれた日付を見て察したらしい。
「なるほど、そういうわけね」
途端ににやける頭の良さが腹立たしい。
「じゃ、苺煮オレで手を打とうかな」
座り直したことを意外に思う。
素直になれない私が「思ったより安上がりだね」と余計なことを口走ったら、カルマ君は頬杖をつきこちらを見つめた。
「まあ、出席番号覚えちゃうぐらいには、あんたのこと意識してるからね」

20160702