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一松の心の叫び



※「一松事変」を見て心の中では
チョロ松ばりにしゃべってる一松
かわいすぎやしないか?と思って

「一松君、手つなご〜」
なまえはそう言って了承も得ずに僕の手をつかんだ。とたんに緊張から手汗が噴き出す。彼女が何かに気づいた顔をする。やばい。絶対に引かれた!
「あ……違うから。これ、手汗じゃないから……」
「え?」
きょとん顔をした彼女に見上げられ、ますます頭が働かなくなる。くっそかわいすぎか今の上目づかいふざけんな犯すぞ。って、そうじゃなくて、手汗じゃないなんて見え透いた嘘ついて何がしたいんだ僕は……。早く弁解しないと、不審に思われてしまう。えっと、手、手が濡れてる理由、えっと、……。
「さっき舐めたから濡れてる……」
何 言 っ て ん だ 俺 ! ?
「舐めたの!?」
彼女もこれには仰天したようで、目を丸くしていた。しかしそれでも振り払わないあたり女神だ。僕の唾液がついた手さえ優しく温かく包みこみ続けてくれる。なんて尊いんだ。
いやだからそうじゃなくて、不審がられてるんだって!早く言い訳しないと、言い訳、言い訳!
「べ、別に普通でしょ。猫もよく手を舐めてるし……」
嘘下手すぎか!!!!死ね僕!!!!
でも今死んだら絶対なまえは悲しむよな……。心優しいもんな……。やっぱり今すぐ素直に撤回して謝るしかない。言うんだ、素直に!緊張して、手汗がにじんでしまってるだけなんです!って。女子と手をつないだこともない童貞だからです!って!!!!
「なまえは猫飼ってないから知らないかもだけどね……ほんとしょっちゅうだから。猫は」
無 理 だ !
ここで素直になれるぐらいなら友達も彼女もとっくにできてた。
もう諦めよう、この子に振られたら多分一生僕は独身で孤独死すると思うけど、むしろ一瞬でも夢が見れたことに感謝しないとだよな……ありがとうなまえ……。
「なるほどね。確かに私猫飼ってないから知らなかったよ〜。一松君は物知りだね」
納得するんか!!天使か!!!!逆に犯す!!

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