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名前負けしてない犬飼澄晴



※ワートリ、コミック未収録キャラ
※キャラ掴み切れてなくてねつ造多

「好きだから、付き合ってくれない?」
犬飼の言葉に思い切り後ずさったら、壁に後頭部を打ちつけた。
「何その反応」
「犬飼がそんなストレートな告白すると思わなくて。ほら、『澄』んで『晴』れてるって、完全名前負けしてるような性格じゃん……?」
「キミ失礼だね?」
距離を詰める犬飼の表情は普段通りで、うっすらと笑顔さえ浮かべている。これではどちらが告白しているのか、分かったものじゃない。
「これでも意外に真面目だよ?」
「それは、知ってるけど……」
ランク戦の前、熱心に敵チームの研究をする彼の姿を何度も見ていた。口は悪いし、いちいち癇に障るやつだけど、チームのためにと頑張るところは、本当は仲間思いの良いやつだということを物語っていた。
「実は私も、好きだけど、なんかビックリ。こんな普通に犬飼と付き合うことになるなんて」
「そう?けっこう俺って『幸せにするよ』とか言っちゃうタイプだけど」
軽口を叩きながら頬に手を添えた彼が、触れるだけのキスをした。そういうのが信用ならないんだという思いを込めて胸を叩いたら、その手を握りこまれて耳打ちされる。
「俺、わりと彼女は甘やかすよ?」
言いながら耳たぶにまでキスをする。だから、そういうのが、嘘くさいんだってば!

151017