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140字まとめ8



ツイッターでやった診断。キャラ名を入れるとお題が与えられるので、140字のSSを書くというもの。



 赤羽業『君だけがいい、君しかいらない』

暗殺に失敗した時は、どうしよう。彼女は地球が終わる瞬間まで、気づくことさえできない。
「受験が終わったらさ」
「うん?」
「旅行しようよ」
「えっ?親が良いって言うかな」
「嘘ついてでも、行こう」
戸惑う彼女の否定の言葉が聞きたくなくて、口をふさぐ。諦める日が来るなら、その時は君の隣だ。



 三輪秀次『そうしたら、僕ら最強に両思い』

三輪に振られた。泣きながら迅に言うと驚かれる。
「本当か?」
「うん。何であんな堅物好きなんだろ」
「堅物だからだろ」
迅が慰めるため距離を詰めてきたら、突如背後から伸びた手が肩を掴んで守るように引き剥がす。
「だよな堅物。仇を討ってからとか考えてんだろ?」
迅の問いに呻く三輪の声を聞いた。



 空閑遊真『もう一度好きになって』

「ゆうま、だいすき」
無垢だった彼女に恥じらいが生まれ、やがてその言葉が聞けなくなる。
「遊真うざい。私にかまわないで」
嘘だと分かれば、それも愛しい。
「遊真、……好きだよ」
“好き”の重みを知った彼女が、俺を抱きしめる。
何度も変わる色彩を楽しみにしている。これからもずっと。



 空閑遊真『どうでもいいよ、そんなこと』

離れた年齢や、種族の違いは埋められない。私が気にするたび「先輩は変な事ばっか気にするな」と笑い飛ばしていた遊真が、今は暗い表情をしている。
「おれは、ずっと傍にいられない。もしかしたら今すぐにでも、死ぬかもしれないから」
どうでもいいよと笑い飛ばすのは、私の番だ。なのに、声が出ない。



 影浦雅人『三時の雨宿り』

濡れた髪をタオルで拭きながら、並んで空を見上げる。影浦は頭を左右に振っただけだった。
「しゃがんで」
猫背を極端にした彼の髪を軽く拭いてあげる。犬みたいで可愛いと考えていたら「失礼なこと考えんな」と不服そうに言う。牙をむく姿が可愛いと懲りずに思えば、今度は頭突きを食らってしまった。



 犬飼澄晴『唯一の』

犬飼がB級になった。
「おめでとう」
「これ見てよ」
傾けられたスマホを覗き込むとスーツ姿の彼がいた。
「何これ」
「隊服」
「スーツが?」
驚きに顔をあげると、思いの外近くて唇が掠めた。
「昇級祝い、ありがたく貰っとくよ」
舌なめずりに、全て計算だと気づく。
「A級になった時も、一番に報告するね」



 烏丸京介『来世でもよろしく』

「前世ってありますよね」
唐突に烏丸が衣服をめくり、脇腹をさすってきた。
「ここのホクロ見覚えがあるんです。俺達前世で恋人だったのかも」
「はぁ?てかなんで知ってるのよ」
「着替えてる時に見ました」
「変態!」
「ねぇ先輩、前世信じます?」
真剣な目に怯む。いつもの『冗談です』はいつ言うんだ?


ここからお題なし。


 菊地原士郎

「菊地原君デートいこうよ!」
「なんであんたなんかと」
「ひどっ!カラオケ行かない?」
「行かない。歌うの好きじゃない」
「えええ〜!?じゃあゲーセン!」
「うるさいからヤダ」
「ボーリング……もうるさいか。もう私の家くる?静かだよ」
「それ、誘ってる?」
「えっ!?だ、だって……え!?」
(バカだ)



 匪口結也

匪口には敵わない。クイズ番組を見れば正解を口にするのはいつも彼だし、歳下なのに給料も負けている。
「ずるいなぁ」
「はい、あがり」
呟きはカードゲームに対する不満だと解釈された。
「これ、匪口みたい」
無敵のジョーカーを摘んだ私にさらりと一言。
「じゃああんたはスペ3だね」
ほら、勝てない。

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