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前髪を切りすぎた彼女とからかうカルマ



リクエスト:前髪切り過ぎた子とカルマ

なまえが俺の家にきた。
「帽子とったら?」
いつまでたっても帽子をかぶったままの彼女を疑問に思って問いかけると、露骨なぐらいに肩を揺らした。
隙をついてはぎ取ると、片手で前髪を隠す。じわじわ追い詰めると、尻餅をつくようにベッドに座った。
「何で隠すの?」
「きょ、今日、前髪切るの失敗しちゃって……」
「へー。見たい」
「やだよ、カルマ笑うもん!」
「俺に逆らうの?」
必死におでこを隠す両手首を掴んだ。引きはがそうとするが、あちらも必死らしく、懸命に抵抗する。じたばたしているうちに、ベッドの上に押し倒してしまうけど、なまえは前髪を見られたくなくて、それどころじゃないらしい。
「なまえ」
できるだけ低い声を意識すると、雰囲気が変わったことを察したようだった。はっとした彼女の顔が、赤く染まる。自分が今どういう状況にあるか、理解したようだった。
俺は身を屈めて、彼女の唇にキスを落とす。角度を変えて、何回も。だんだんと緩んできた抵抗の力。なまえが目を閉じているのを確認すると、素早く手首を押しやり、ベッドに縫い付けた。
「……クッ」
思わず吹き出すように笑ってしまった。それを聞いて、なまえが目を開く。震えるように笑う俺に、さっき以上に顔が赤くなった。抵抗して、また前髪を隠そうとするが、力ではかなわない。
「ほ、ほら!やっぱり笑うじゃん!」
「だって……思ってたより短かったから」
「伸びちゃってたから、カルマに会う前にちゃんとしようと思ったの……!で、でも、そしたら焦ってて、切り過ぎちゃって……」
必死に弁解するなまえの額を撫でた。思いのほか優しい手つきに、彼女は警戒する。
口の端を歪めるように笑い、「悪くないじゃん」と言った。それが、わざと羞恥を煽るための言葉だと分かっているのに、彼女は嬉しさを隠すことができなかった。ふて腐れるように視線を横へ逸らす。
自分側に向いた耳へ、唇を寄せた。触れるようにキスをすると、彼女の体がぴくりと反応する。
「なまえ、かわいーよ」
滅多に言わないくせに、こういう時だけ。恨めしげな瞳がそう語っていた。彼女はますます恥ずかしさを感じたらしく。自由になった手で自分の顔面を覆った。

150421