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炎山と彼氏の定義



友達から聞く彼氏という生物は、遊びに連れてってくれるし、メールの返事もまめに返してくれるらしい。となると、炎山は私の彼氏ではないのかもしれない。そう伝えたら、呆れ果てた顔をされる。

「その定義だと、多くの父親も彼氏になるのではないか?」
「まぁ……」
「俺に父性を求めているなら、こんなことはもうできないな」

彼はそういって私の頬に掌を添え、親指を唇に押し付けた。私はわざとらしいぐらいに不機嫌な顔を作って見せる。

「なんだその顔は」
「私たちは会うとしたら家の中だし、いつもこんなことしかしないから」
「それがいいくせに」

馬鹿にしたように鼻で笑うと、炎山は私の唇を舐めた。私はむくれたままの表情はそのままに、彼のキスを受け入れる。気持ちいい事は好きだ。炎山も好きだ。遊園地に連れてってくれないし、メールの返事は一週間おきだけど、私の彼氏は、あなただけだ。

141215