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折原さんが心配する



リクエスト:ヒロインが事故に遭う

「折原さん。突然ですがしばらく会えません」
『……は?なんで。』
「実は……事故に巻き込まれてしまって」
『もしかして君に任せた例の件かな?しくじったの?』
「それは大丈夫です、済ませました。後日、指定してた場所に送ります」
『じゃあなんで会えないの?約束してた来週の夕食も来れないってこと?』
「残念ですが……」
『せめて納得のいくように説明してくれないかなぁ。俺には聞く権利があるはずだけど?』
「……失礼します!」
『あっ、こらっ』ブチッ
「ふう……。って切ったそばから電話かけてきてる!折原さんったらストーカーみたい……!……でも、まさか猫に顔引っ掛かれて間抜けな三本傷ができたから会いたくないなんて言えないよね。折原さん、ねちっこい性格だからここぞとばかりにからかってきそうだし。あ、電話とまった。……ん?メール――」
【盗聴器で全部聞かせてもらった。電話でろ】
「……」
『もしもし』
「盗聴は犯罪だと思うんです」
『今さら何言ってんの?というか猫に引っ掛かれただけかよ……。変に深刻そうな雰囲気作るな』
「だって……」
『傷ついててもついてなくても君の顔が大したことないのは変わんないから、気にしないでいつも通りおいでよ』
「ひ、ひどい……!それで慰めてるつもりですか!?私はショックだったんですからね!」
『はぁ……俺が会いたいって言ってるのに、分からないの?』
「……!でも……」
『だいたい君、猫なんて飼ってたっけ?』
「いえ、野良猫です」
『ちゃんと消毒した?』
「……えっと、今帰宅したところで」
『してないの?信じられない、野性動物は雑菌まみれなんだよ?もういい、俺がそっち行くから待ってて。消毒液は家にある?』
「あー……どこしまったっけ」
『……買ってくからいいよ。とにかく君は傷口洗ってて。ちょっと流すだけじゃなくて、洗うんだからね!』
「わ、わかりましたよ……」

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