squirrel 8
久々に森に来た。目指すは花畑。
まつぼっくりはもう季節外れだし、小石なんかをあげても仕方ないだろう。無難に花。私は花言葉なんか知らないし花の名前も分からない。だから見かけのきれいな花をあげよう。

Gみたいな、きれいな花。


「そろそろつくハズ何だけどなぁ。」
「おーい!リス〜!」
「ん、あ、てんとう虫じゃんまだ生きてたの?」
「おめえ言い方にトゲありすぎだろ。俺っち温室生まれだからさ〜、さみぃからお前さんのその暖かそうな尻尾で暖をとらせてくれよ。」
「いいけど…。私今飼いリスだから途中でどっか行ってよ。」
「嫌なの!?ごめんね嫌だった!?」
「別になんとも思ってないけど。」
「トゲありすぎだよぉ、これだからリスは。群れで生活しないやつは礼儀がなってねーぜ。」
「礼儀がなってないのはあんたでしょ、地面に尻尾叩きつけましょうか。」
「ごめんなさい。」


それからしばらく走っていると花畑が見えた。

見た感じ…ピンクの花が多いなぁ、あとパンジーとか…。ピンクの花を仮にも男性にあげるというのはどうなんだろう。パンジーもなんか微妙。


「花をあげるのか?」
「うん。」
「オス?メス?」
「オス。」
「ならスノードロップなんてどうだ?」
「すのーどろっぷ?」
「白くてきれいな花だ。ウブなリスさんにはお似合いだぜ。」
「はぁ?てゆーか私エデンって名前があるんだけど。」
「そっか、飼いリスだったな。じゃあエデン、スノードロップの花言葉は"希望"って意味があるんだぜ?」
「"希望"か……。」
「あ、アレだ!」


尻尾にいたはずのてんとう虫はいつの間にか私を誘導していた。

20cmくらいある背の高い花。まだ蕾のようだけど、なんだかおとぎ話に出てくる街灯のようで可愛らしい。


「蕾ってのがまた乙だよな!」
「うん。」
「ヒガンバナ科の花はキレイだって相場が決まってんだ。良い花だろ?」
「…うん!」


ポキッとスノードロップを折り手頃の長さに噛みきった。


「詳しいんだね。」
「温室生まれだって言ったろ?」
「ははは。」


さぁ、早く帰らないとパーティが始まってしまう。お礼にてんとう虫を温室まで送り急いで屋敷に戻った。

Gが作ってくれた小窓から花を折らないように気を付けて中に入る。

かすかにG達の笑い声が聞こえた。










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