squirrel 9
ダイニングには豪華な料理とワインの入ったワイングラス。すでにケーキが切り分けられている所から間に合わなかったようだ。
「あっエデン!!もう心配したよー!!ちゃんと夜までには戻りなさいって言ったでしょー!」
持っていた肉をおいてすぐにジョットは私を抱き上げた。眼が濡れてる。本当に心配してたようだ。
「キュウ…。」
「もう、次は許さないからねっ!」
「エデン殿、その花は?」
「あ、スノードロップ!Gへのプレゼントか?」
「キュっ!」
「そうかそうか!ほーら行っておいで!」
ととと…
「キュウ、」
「リス子…」
「エデンだってばー」
「キュっ!」
座っているGの所まで行き、テーブルにスノードロップをおいた。
「さ、サンキューな。」
「キュウ〜!」
おめでとう、そんな気持ちを込めてGの指をなめるとそのままGの手にすりよる。
「……、…。」
「G殿ニヤニヤでござるな!」
「な、ち、ちげーよ!」
「はははGマジ照れ〜」
「いつもエデン殿にはあしらわれてたからなぁ。」
「これがリアルツンデレか、萌え!」
「何言ってんだ。」
とか言いつつもやっぱりGは笑ってる。喜んで貰えたようだ。
「これ生けてくる、リス子、来な。」
普段なら命令されるのなんてごめんだが今日は誕生日だし大人しく聞いてやろう。
Gの肩に乗るとそのまま自室まで戻ってしまった。
「まさかリス子にプレゼント貰えるなんてな、お前本当にリスか?」
「キュっ!」
「ははっ!そうだよな、俺もジョットみたいにお前が何を言ってるか解ればな〜」
「でも、これの意味はわかるぜ、ありがとよエデン。」
「!」
「メッセージカードも、嬉しかった。」
そう微笑むGの顔は、こんなに優しく笑うことができるのかと思うくらい優しかった。アラウディの時とは違った衝撃。
「よし、と。折角だから今日はあっちのテーブルに飾るか。明日からは書斎に置くからな。」
「キュウ!」
「今日は何が食いたい?トマトか?」
「キュ〜」
「ん…レタス?」
「キュー」
「…もっかい!」
「キュ〜」
「………やっぱりわかんねぇ!」
「いちご」
「え、いちご?」
「キュウ!」
「……喋った?」
「キュウ?」
「…これがテレパシーか!!つーかお前いちごって、俺も好きなんだけど。さてはケーキの上のいちご狙ってんな!?」
「キュウ!」
「めざといやつだぜ……。」
こうして私はGから甘いいちごをもらい、楽しいバースデーパーティは過ぎていったのだった。
一言、しゃべっちゃったけど…大丈夫だよね?Gなら…ううん、きっとGやジョットなら私をひどい目にあわせたりなんかしないと思うんだ。
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