vampire 16
「宝、」
「ん?」
「さっき獄寺君に言われちゃったけど、改めて言うよ。ボンゴレファミリー十代目ボス、沢田綱吉。これからもよろしくね!」
「えっ、ボンゴレ…!?」
「?、知ってるの…?」
「あ……いや…。どこかで聞いたことのある名前のような気がして…。」
「ボンゴレは超巨大ファミリーだからな!!」
「あぁ…。てか、本当にいいの?私みたいなのとよろしくして…。」
「それはこっちの台詞。こんな俺でよければまた友達として仲良くして欲しいな…?」
「もちろんだよ!!マフィアだって、綱吉が優しい人にはかわりないもん…!マフィアだからこそ、命の重さを綱吉は知ってる。そう思うから…。」
「ありがと!俺もだよ、宝。吸血鬼だからって宝が宝なのは変わらないから。」
「…うん!」


流石十代目!!思った通りの心優しい方だ。十代目はこんなはぐれ者の俺や敵でさえも受け入れてくれる、そんな十代目がたかだか吸血鬼であるだけの日和を拒絶するはずなんてねぇ。俺の目に狂いはなかったな!!


「ついでに言っとくと、ボンゴレはむやみやたらに人を殺す訳じゃねぇからな。やってる事は同じかもしれねーけど…ボンゴレは大切な人を護る為に戦ってるんだ。」
「解ってるよ。だって綱吉が…ううん、獄寺がいるファミリーなんだから。」
「日和…」
「ありがとう、獄寺。獄寺が居なかったら私また逃げてた。綱吉に本当の事なんて言えなかった。」
「勇気出して言ったのはお前自身だ、俺は何もしてねぇよ。」
「獄寺大好き!」
「なっ…!!」


ニッコリと笑う日和はきっと何も考えないで言ったんだろう。んなどストレートに言われると……、意味が違うって解ってても照れるだろうが!!


ぎゅっ!


「えへへ、」
「……――、よく、出来ました。」


抱き着く日和の腰に手を回して頭を撫でる、血でワイシャツ汚れるぞ、とか今はどうでもいいか。

日和の体はひんやりと冷たいのに"ぬくもり"を感じて、やっぱりおちつくな。俺ハグ好きなのか?こんな風に誰かを抱きしめたり抱きしめられたりした事ねーからすげぇ気分いい。


「何か俺ちょっと寂しいんだけど。」
「そんな事ないよ綱吉だってベストフレンドだよ!」
「取って付け足された感が否めないんだけど。」
「違うよ!」


日和を家族のように感じるのは"あいつ"と日和が被るからだろうか。でも"あいつ"は日和じゃねぇ。確かに美人だが髪の色も目の色も違うし、そもそも"あいつ"は人間だった。

日和を『護らないと』って思うのはあの記憶から来てるもんじゃねぇ。これだけは解る。この気持ちはもっと奥底から込み上げる感情で、運命めいた使命感すら感じる。

もちろん運命なんて無責任なもん俺は信じないけどな!!



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