vampire 15
「それにしても獄寺君凄い血の量だね…、大丈夫なの!?早く医療班呼ばないと!」
「心配いりません!もうほとんど晴の炎で治しちまいましたし!」
「そうなの?」
「はい!」
「んー…ならいいけど。とにかく犯人見つけないとね!どんな奴だった!?」
「それは…」

初めて見る奴でしたからあまり有名な奴ではないと思います。――そう適当に犯人像を言えば十代目には悪いが取り越し苦労で終わる。でもそれじゃぁ、何の意味もないよな…?

「……」
「獄寺君…?」

大丈夫だ、十代目は理解ある人だ。日和の事を拒絶するはずねぇ。

「日和、十代目はな…ボンゴレファミリーっつー巨大マフィアの10代目ボスなんだ。」
「なっ、獄寺君…!?」
「十代目はまだ誰も殺しちゃいねぇが殺し屋としての業を持ってる。」
「獄寺君!?」
「日和、俺も十代目も日和と同じだ。」
「えっ…?」
「獄寺…」
「十代目は絶対にお前を裏切らない。自分で言わないと何も変わらねぇぞ。」
「で、でも…」
「俺を信じろ!!絶対、大丈夫だから。」
「っ………、私、」

ぎゅっ

「大丈夫だ、俺はお前の手を離さないから。」
「………うん!!」

すげぇ恥ずかしい事を言った気がするけどこれで日和が一歩踏み出せるならそれでいい。
ギュッと俺の手を握ったまま日和は十代目と向き合った。日和は真っすぐ十代目を見つめる。

「綱吉、私、隠してた事あるの。」
「な…何……?」
「私、吸血鬼なんだ。」
「………え?」





それからはまるで時が止まったかのようだった。二人ともぴくりとも動かず、十代目は黙ったまま。日和も静かに目を伏せた。俺は何もいわず震えた日和の手を強く握りなおすと不安げな視線を俺に向けた。
大丈夫だ、十代目はまだ戸惑ってるだけ。お前を拒絶したりなんかしねぇ。

「つっ………。綱、吉……」
「へぇ…、人間じゃなかったんだ。」
「い、今までありが」
「だからスッポンの生き血なんて飲んでたんだね、納得!」
「え?」

ぽん、と十代目は掌を叩いて満足そうに笑った。

「なんか全部のつじつまがあったって感じ!」
「つ、綱吉…?」
「だからそんな泣きそうな顔してたの?大丈夫だよ、俺は宝が吸血鬼でも悪魔でも嫌いになったりしない。怖くなんてならないよ。」
「綱吉……」
「今日初めて宝と知り合った獄寺君だって、宝の事嫌いになったりしないんだ。俺が嫌いにわるわけないでしょ?」

『馬鹿だなぁ。』十代目は最後にそうつけたすとまた笑い、日和の瞳からはまた水が流れた。

「ありがと…綱吉……」





あいつは嬉しそうに、目の端に涙を溜めて笑う。
――よかった、十代目と日和の笑顔を見て俺は心底そう思った。

耳元を犯すその





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