vampire 17
「とりあえずこのままじゃいられないね。血だらけだし、保健室行こっか!」
「え………。」
「大丈夫。シャマルは理解ある人だから!。」
「え、でも…」
「大丈夫だ。つか…シャマルなら既に吸血鬼の存在を知ってる様な気さえするぜ。」
「あぁ、確かに…、知ってそうだよね。」
「……二人が言うなら。」


そんな訳で、俺達は保健室に向かうべく第四理科室を出て廊下を歩き出した。


「しかし十代目、よくここが解りましたね!流石っス!」
「おもいっきし銃声したんだからそりゃ解るよ!」
「え、そんなに響いてましたか?」
「うん。それになんか…超直感かな、行かないとって何だか思ったんだ。」
「そうスか…。」
「ところで獄寺君…宝に変な事してないよね…?」
「し、してないっスよ!」
「宝の首筋にあるキスマークが凄く怪しいんだけど。」
「誤解です!!」
「そ、そうだよ、これは獄寺がムラムラしちゃっただけで…」
「語弊のある言い方をするな!」
「ははっ!」
「「!」」


(ここで笑うのかよ、ずりー。)


「まぁ冗談はさておき、獄寺の優しさ故だから本当に何もされてないよ。」
「それならいいんだけど……。」


一つ二つと階段を降って行き現在2階と1階の間。あと少しで保健室だ。











保健室

「シャマルー、いる?」
「ん?おーボンゴレ坊主。また転んだのか?男はみねぇぞ。」
「わかってるよ!俺じゃなくて、宝。」
「宝?」
「あ、はじめまして……。」
「……チッ!」


並盛は中高一貫の公立高等学校。故に保険医は一緒でシャマルだ。


「おー、こりゃいいな!!…隼人はいらんが。」
「うるせー!」
「ははは、って、隼人のその血に噛み跡……。…宝ちゃん吸血鬼だろ!」
「吸血鬼の事知ってるんですか!?」
「あぁ。いやー久しぶりだなぁ吸血鬼に会うなんてー。」


び、ビンゴ…!!本当に吸血鬼の事知ってやがった!!


「二人共今日は早退しろ。ここにゃーワイシャツの替えなんてねーし、血の匂いが染み付いてる。ボンゴレ坊主、二人の荷物持ってきてやれ。」
「はい。獄寺君席何処?」
「窓際の1番後です!すみません、お手数かけて…」
「気にしないで!」


十代目は保健室を出ていかれた。パシるような真似してすいません!!!


「クラス違うんだっけ。」
「あぁ。」


そしてしばしの沈黙。


「…………」
「…………」
「…………」

「なぁ宝ちゃん。」
「、はい!」


それを破ったのはシャマルだった。


「なんですか?」
「人間の血ー飲んだの今日が初めて?」
「はい。」
「じゃぁさぞかしうまかったろ。始めて飲む人間の血は大体好みの血なんだぜ。欲が理性より勝っちまう程に。」
「そ、その通りです……」


日和はあの味を思い出したのか少しうっとりしたような顔をする。―ってやめねぇか恥ずかしい!!


「…本当に美味しかった。すごくいい匂いして………理性が…。」
「だってさ、よかったな隼人!」
「俺にフる意味がわかんねぇよ!」
「綱吉も好み何ですけど、獄寺は格別でしたね…教室に入った瞬間死ぬかと思いましたよ。」
「ほう。やっぱ飲んでる時って気分いいのか?」
「最高です!気分良いというより気持ちいいです。力が溢れてきて…獄寺の血が体の中をかけ回ってて…快感!!」
「!!………」


か、快感って………!


「シャマル先生、以前吸血鬼に会ったことがあるんですよね。血、吸われましたか?」
「ちょっとだけだけどな。しかもそいつがスゲー美人でよ!血、吸われるのも結構気持ちいいもんだぜ。な、隼人?」
「だから俺にフるんじゃねぇよ!」
「獄寺、そうなの?」


うっ、そんな顔で見るんじゃねぇよ!でもここで素直に答えないとまた凹むよな。

背に腹は変えられねぇ。


「…………まぁ、ゾクゾクする。」
「そうなんだ…凄い眉間に皺寄ってたから痛いのかと思ってた。…気持ちいいの我慢してたんだね!」
「な、やらしー言い方すんなっ、悪いか!」
「いや悪くはないけど…安心した。」


日和の笑顔は、反則だ。笹川や十代目ももそうだが屈託のない顔で笑われると何も反論出来なくなる。


「シャマル先生…、その吸血鬼の女の人とはどんな関係だったのですか?」
「関係?」
「だって…人間の血を吸うのは禁忌じゃないですか。」
「は?」
「え…!?」


いや、『は?』って……え!?キョトンとしたシャマルに日和は目を見開く。


「宝ちゃん…両親は…?」
「幼いころに…。」
「だからか。別に吸血は禁忌じゃねぇよ。まぁ確かに誰彼構わずってのは良くないが誰しも通る道だからな。」
「嘘!?」
「ガキの頃は変に味を覚えないように制限をかけてそう言ってるだけだ。人間の味は格別うまいだろ?だから。宝ちゃんくらいの年頃になれば別に普通だぜ。」
「そうなんですか!?あ…あんなに悩んで思い詰めたのに…。」
「…まぁよかったじゃねぇか、勘違いで。」
「う、…うん。」


嬉しいような悔しいような、そんな複雑な顔をしていた。



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